ご存じアガサ・クリスティーの推理小説。 作者にとってエジプトとかナイル川は良い思い出の地らしい。
この推理小説にヒントを得て坂口安吾は有名な作品を書いた。 その坂口安吾の推理小説は、同時にABC殺人事件の影響も受けている。
殺された女性に対して、作者は好意を持っていないように思われる。 美人で金持ちではあるが人間的に問題がある人物。 それは成り上がりアメリカ人に対する作者の無意識下の批判であろうか。 ヨーロッパ人が世界の指導的立場にいるアメリカを単純に尊敬しないで かげでアメリカには歴史がないとかアメリカ人の底の浅さを言うのと どこかで通じているような気がする。、
さすがのポアロも今回は依頼は受けても引き受けない。 ただ人間として見ていられないときは、できるだけのことはすると約束するが 殺人事件は起きてしまった。
推理小説に具体的な解説は禁物なので、これ以上は書きません。 「ナイルに死す」は「ナイル殺人事件」としてしばらく本が出ていたが、私が読んだこの本は「ナイルに死す」(2008)でした。
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