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[No.15198] リサイクルショップ「諸々ばなし」 投稿者:男爵  投稿日:2010/05/07(Fri) 09:28
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著者西国康行は盛岡市紺屋町で中古品センターを開いている。

官公庁の払い下げはゴミのオマケつき
 契約に入っていなかったゴミもあとで発見する。市内のそれ専門業者がいるから、それは処理してもらい仲良くしている。
古物商という仕事
 古物商は古物台帳というものに品物を売った人と買った人とを記載記録する義務が課せられる。
 これは防犯上当然のこと。盗品故買はいつの世も大きな社会問題で、江戸北町奉行の大岡越前も取り締まりに頭を悩ませていたそうである。
外国人には通じないリサイクルショップ
 彼らにいわせると、リサイクルとは資源再利用のこと。つまり、空き缶、空き瓶、鉄くず、スクラップなどの再利用。
 中古品店のことはセカンドハンドショップという。かつて日本ではセコハンという言葉があった。
夜逃げの手伝い
 夜逃げする旦那に代金を払うと、翌日同居していた女から抗議されたり(いなくなった男が売ったのは彼女のものだった)、逆のケースもある。
リサイクルショップブームきたる
 世の中バブル景気のときはこの商売ははやらない。オイルショックのときや不景気なときに商売が忙しい。
米軍の買いあさり屋のボスは牧師だった
 三沢米軍基地からトラックで乗ってきてどんどん買ってくれたグループ。彼らは仏壇などもクローゼットにするといって平気で買っていく。個人の趣味とかお土産として買うのとはちょっと違うと思ったら、どうやら仕入れたものを基地内で売りさばいて商売しているらしい。
 ボスは従軍牧師で、買い集めた品物を教会のバザーで売り、収益は傷痍軍人や戦死した軍人の遺族のケアに使われるとのこと。
やっぱり医者と坊さんはすごい
 付け届けの多いお医者さんは戴きものが多い。飲み物や食べ物の超高級品や絵画や置物、骨董品などおいしいものがいっぱい。旦那さんの仕事中に奥さんに呼ばれて、お医者さんの奥さんのプライドを盛り上げるよう褒めながら、そして「どうか貧乏人たちにおすそ分けを」といった調子で交渉するという苦労話を述べていた。
 お寺も葬式や法事でギフト品がたくさん。岩手は広くて地域により食料品が多く砂糖や感づけなどは重くて苦労する。山門から先には車が入られず長い階段を上り下りしなければならないことも少なくない。運ぶときは夜で、ギフト品のおいてある場所が納骨堂だったして、突然納骨堂の灯り消え大声を出したことがある(センサー感知のしかけだったらしい)。
夜逃げ、倒産、離婚、死去の後始末
 夜逃げの手伝いをさせられたことや逃げられたほうの大家さんに呼ばれ置いていったものを交わされる。成田離婚のほとんど未使用の婚礼家具も中古品になる。
当主の死亡の際は一番ラク。たいていの遺族は、亡くなった人がいかに大事にしていたものでも気兼ねなく売り払う。いままで邪魔だったものがやっと整理できると清々するような気分らしい。夫がなくなると、妻はその家に代々伝わる家宝みたいな品物でも、いい値段さえつけば売ってくれたする。家に嫁入りしたわけではないから。
暇つぶしの年寄り客が増えた
 何も買わずに時間つぶしにくる。店に入ったら何か買いましょう。