著者森昭雄は医学博士で日本大学教授
要するに テレビゲームや携帯電話の使いすぎは 頭の退化をまねき、若いのに脳の瀕死になるから 気をつけなさいということです。
ただでさえ ワープロやパソコンを使っていると 漢字が書けなくなってくる状態が問題にされています。 携帯電話でメッセージを書くときは、漢字を書くのではなく、いくつかの候補の文字から選ぶ操作をしているだけなので、頭の機能の一部しか使っていないから、脳が退化するはずと書いています。 (大学入試センター試験でも、数学で正解を選ぶ択一問題の試験だけでは、実際の計算力の判定になりません。入学した学生に簡単な計算問題をさせてみると計算力のなさに驚きます)
テレビゲームをやりすぎている子どもの脳を調べると 前頭前野(ぜんとうぜんや)にβ波の低下が起こっているという。
前頭前野が働かないと、抑制がきかなくなり、理性がなくなり、人間性が欠如して 動物的、刹那的となり、衝動を抑えらなくなるそうです。
そして、じっくりものごとを考えられなくなり、論理的な思考はもちろん困難となります。 社会生活をおくる上で不利となりますから、その子どもの将来性はなくなります。
人間らしい脳を育てるためには 著者はお手玉がよいと書いています。剣玉とか手先を使う遊びは 脳にもよい刺激を与えるようです。
携帯電話やパソコンで一日中あけくれる、いわゆるネット依存症は麻薬中毒みたいなもの。 ある程度の年齢なら社会常識もあり仕事や人間関係という制約があるから なんとか日常をおくりながらインターネットを楽しむことができるでしょうが 子どもや未成年にとって、ネット依存症は危険なことです。 脳の成長の時期に、高齢者のような脳の退化が起こっては大変。
やや警告的な本の内容ですが、人によっては この本に書かれてあることは、そのまま当てはまりそうな気がします。 笑ってばかりいられないことだと思います。
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