アクロイド殺害事件(アクロイド殺人事件) アガサ・クリスティの古典的作品である。一度読んだはずが 確認のためもう一度読むことにした。(読んでいるうちに内容を思い出した)
ポアロが引退して田舎にひっそり暮らしているところに殺人事件が起こり 娘フローラから頼まれて事件解明に乗り出す。
シェパード医師の姉キャロラインは村一番の情報通で何でも知っている。弟にもずけずけものを言う。 妻と死別したアクロイド氏と結婚するつもりのこれも未亡人のフェラーズ夫人は誰かから脅かされて大金をゆすられていた。 娘フローラはポアロに助言されて、ラルフとの婚約発表を二日後にのばすという。 フローラは伯父アクロイドを喜ばせるために、アクロイドの養子ラルフを受け入れた。フローラとラルフの間には共感と理解がある。
これは有名な作品なので、前代未聞の大胆なトリックが使われているため プロの推理小説作家の間で論争があった。 推理小説としての暗黙の約束を守っているかいないか つまり、フェアかアンフェアかということで、日本の中でも 江戸川乱歩はフェアだと言ったが、文芸評論家小林秀雄(田川水泡の義兄)はアンフェアと断定したらしい。
この作品に影響を受けて、横溝正史などもある作品を書いている。 両方を読み比べればああと思うはずであるが。
アガサ・クリスティの作品には、日本の推理小説作家に広く影響を与えたものが多く 推理小説のファンとしても彼女の主な作品は読んでおくべきである。 オリエント急行殺人事件、 ABC殺人事件、 ナイルに死す(ナイル殺人事件)、そして誰もいなくなった等。
この作品は、それまでポアロの相棒の役割をはたしていたヘイスティングズが結婚して南米に行ってしまったから、登場しない。 作者はヘイスティングズの性格に飽きたのか、マンネリをさけるため彼を登場させなかったのかと思ったが 読み終わってから、そうでないことに気がついた。
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