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[No.15935] 体験的国際交流論 投稿者:男爵  投稿日:2010/10/16(Sat) 06:05
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体験的国際交流論
アグネスチャン 1989.3

スワヒリ語には「今」「きのうの今」「過去」という言葉はあるが、「未来」という言葉はない。
彼らにとって時間というのは「今」がいちばん大切。
なぜなら、時間はイコール経験であり、経験しないものは存在しない。存在しないものは当然言葉にあらわす必要もない。
人が死んだとする。彼らは、人が死んでも、その人は存在すると考える。「リビング・デス」
この、生きている死んだ人と、「ストーン・デス」つまり石のように死んだ人とを区別する。
リビング・デスは、自分の頭の中に生きている人。その人を覚えている人がみな死んだら、ストーン・デスとなる。

テレビは視聴率に害されている。
ニュースをショーにすれば、視聴率が上がればもっとお金が沢山入ってくる。
だから、ニュースにもショーの要素を取り入れなければならない。
キャスターは目立つ人、面白い人にしよう。女性キャスターは美人にしよう。
でも、ニュースはエンターテインメントではない。正確な情報を伝えなければいけないから、それなりに判断力のあるスタッフ、選択力のあるスタッフ、本当に社会意識をもっているスタッフがいないとだめだ。
ニュース戦争がエスカレートし、ますますニュースの中にドラマを求めるようになってきた。
たとえば日航機が落ちて、取材班が現地に飛ぶ。そこで、やってきた家族に「あなたの今の心境は?」と、泣くまでインタビューする。
私はそれを報道だと思わない。ニュースがショー的ドラマ的になればなるほど、怖い世界になってきたと感じる。
残留孤児の人たちのことにしても、視聴者が自分の頭を使って
彼らの置かれた状況や心情を理解し、心から自然にわいてくる感情が本物と思う。
テレビが一方的に、見る側にこういう感情になってもらいたい、だからこういう絵を作る、というのは貧しい発想だし、一歩間違えば怖い結果につながる。
最近は報道番組も視聴者にアタックするために、すごく感情的なところに入ってくるようになったと思う。それは恐ろしいことである。
自分は自分の判断をもちたい、自分の気持ちを持ちたい、それなのにそういいながらもついつい自分がだまされてしまうことがよくある。
報道が金儲けを考えるとスポンサーをたくさんつけなければならない。そして、お金を出すスポンサーは神様になる。スポンサーの意見が知らず知らずのうちに尊重される結果となる。


[No.15936] Re: 体験的国際交流論 投稿者:男爵  投稿日:2010/10/16(Sat) 06:07
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> 体験的国際交流論
> アグネスチャン 1989.3

香港の実家では、8つの朝刊をとっている。
8つとらないと香港の社会状況が全部判らない。
1967年中国は文化大革命の真っ最中
香港で最大の騒動が起きた。
一人の大学生がフェリーの値上げ反対のプラカードをもってデモをしたのをきっかけに
反政府運動がエスカレートして大きな騒動になった。
英軍と警察と一般大衆とが激しい衝突をくりかえした。
日常的にけが人が出て、何人も牢に入れられ、道路では爆弾をしかけられて
罪もない人が死ぬ。、また、中国から香港に逃げようとして捕まった人たちが珠江に投げ込まれ、その死体が香港の海によく流れてきた。
そのころ著者の住んでいたアパートの目の前に大きな道路があり、
向かいは中国百貨店。反政府デモ隊がこの道路で英軍と戦って百貨店に逃げ込む。
それが毎日のようだった。ある晩もデモ隊が逃げ込んでこれでおわりかなと思ったら、警察がやってきて百貨店に火をつけて全員を逮捕した。次にあっという間に消防車がやってきて、ショーウィンドを壊しすべての商品を水びたしにした。
一時始終を見ていた著者
翌日の新聞がおもしろい。台湾よりの新聞は「大成功、共産主義をやっつけた」、中国側の新聞は「人権無視」、英国政府よりのは「火事発生、消防隊がすぐ現地到着。幸いけが人なし」と書いてあった。
そうかと思った。報道と現実、そして自分の立場は環境によって揺れ動き、惑わされやすい。
もし3つの新聞をとっていなかったとしたら、自分が事件を見ていなかったとしたら真実はとらえようがない。
「真実は一つ。自分の目で見分けなさい」と、そのとき言った父の言葉は忘れられない。

米国空軍の中にできたばかりのスペース・フォースの将軍にインタピュー
こちらの質問内容はすべて事前に提出し、許可を取らなければならない。
質問のやり方にもきまりがあり、一つの質問に対して答があったら、それ以上は「なぜ?」とか「それで?」とか聞いてはいけない。
ついしゃべりすぎた将軍「核ミサイルというのは宇宙の中には...」
部屋の向こうで監視してる5人から早速ストップがかかる。
VTR巻き戻して消去、VTRとりなおし。
終わりにロングショットでマイクは切られ音は入らな時、将軍は大変だと言うと
「われわれのやっていることの97%はしゃべっていけないこと。残り3%で話すのは辛い」と将軍は言った。