船山信次:毒と薬の世界史 中公新書1974
> この本には書かれていないが > 脚気の細菌説と栄養欠乏説は明治の大きな論争であった。
>.......、海軍の麦飯カレーは脚気に強く、陸軍の白米は兵士を感激させたが脚気を救えなかった。 > 脚気に有効なオリザニンを発見した鈴木梅太郎は東大農学部の出身だったので、彼のノーベル賞候補に際して、東大医学部の教授たちが密かに妨害したと言われている。
鈴木梅太郎については、本の後のほうでくわしく述べられていた。
お茶 中国雲南省が原産地 コーヒー アフリカ(エチオピア)が原産地 ココア 中南米が原産地
2002年 中国から入った、痩せる薬としての漢方薬いわゆる「減肥茶」のたぐいを服用すると肝障害が起きた事例があった。それらの名前はそもそも漢方薬にはないという。(新漢方薬?) これらの漢方薬?の成分分析が行われたところ、3パーセントの高濃度でN-ニトロソフェンフルラミンが検出された。これは生薬の成分ではなく明らかに化学合成品が混入されたものであった。その化学構造の基本骨格は覚せい剤と同じである。
やはり中国から痩せ薬として入ってきた「天天素」などと称するものがあり、これらの服用との因果関係が疑われる入院治療を受けた事例や死亡事例が起こり、これらの商品からは、シブトラミンやマジンドールが検出された。 シブトラミンは米国で肥満症治療剤とされるが日本では医薬として承認されていない。シブトラミンはすでに述べた覚せい剤と同じ基本骨格を有するアルカロイドである。 一方、マジンドールはわが国では「麻薬及び向精神薬取締法」の規制対象になっている化合物である。
犬の安楽死に用いる薬物(毒物)を使用した事件も起きた。 1994年塩化スキサメトニウムによるいわゆる大阪愛犬家連続殺人事件が発生し、五人の死者が出た。 また、翌年には埼玉愛犬家殺人事件が発覚した。この事件では硝酸ストリキラーネで四名が殺害されている。 ストリキニーネは植物由来のアルカロイドである。(名前が似ているが、マラリア治療薬のキニーネとは全くの別物)
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