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[No.15941] 犬養道子 パリ便り 1975 投稿者:男爵  投稿日:2010/10/18(Mon) 05:55
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犬養道子 パリ便り 1975

パリのアパルトマン
・必ず一定の緑地と樹々とにかこまれるか、緑地をいだくかしなければならない。
・煙を出す暖房装置を使用してはならない。
・居住にあてられる建物においては外からの美的見地のため、居住者たちが手すりや部屋の窓に思い思いのさいくをこらしたくてもしてはならない。

台所がモダンにととのって便利にできている国ほど、中味はたいしたことがない。
台所の設備と、そこでつくられる味との間には、関係がない。
電子レンジがフランスの台所に入る日がきたら、そのとき、フランス料理は横綱の座からすべりおちて、せいぜい前頭くらになってしまうかもしれない。

文明とは何か 文化・教養とは何なのか 
非文明と文明、非文化と文化、無教養と教養をへだてる境界線は何なのか
公共と名のつくすべての場所は、日本では汚い。公衆便所、公共の道路、ゴミだらけ。
ある火事評論家が東京で家を新築した。やがて自分の家の前が
清掃車停車場であることに気がついた。区役所に、ゴミ集めの場所を、
うちの前でなくするよう頼んでほしいと、業者に言った。
業者は「ゴミはどこかに集めなければならないのだから、
お宅の前でなければどこにしたらいいのか代案を出してほしいと言うと思いますが(お宅の前は十字路で一番都合がよいですから)」と言うと
「そんなことは、区役所できめたらいいんです。とにかく、うちの前でなければどこだっていいんですよ」と家事評論家は言う。
文明をわかっていない家事評論家の言うことなんか信用しなくなった。
ここでは
 シナ鍋 (中華鍋と書いていない)
英語でチャイナ、ドイツ語ではシナ、キナ、チナと発音する。
日本でも昔はシナと呼んでいた。 古い文献はシナでも、シナと書いていた。

私のヨーロッパ

ヨーロッパの4つの要素
・ギリシアの遺産
・ローマ文化の影響
・キリスト教
・北方の蛮族ゲルマンの伝統

ヨーロッパの本質とは
市民権をもつ各個人の集まってつくり出す各町や都市の
市民共同体としての生活のルール
である。
個人の生活と、集団の生活との関係をどちらか片一方を犠牲にすることなく、一種の調和と緊張によって保つすべである。
市民共同体の生活ルールを、強制されずに守る意志と行動である。

政府でもない、企業でもない
共同体としての市民生活こそ、優先すべきであり、優先させるべきものであり、優先させるにあたっては市民こそ第一の行動者でなくてはならぬという考え方がそこにある。

共同体の休息所である公園の花や草をいためないしつけがいきとどいている
と日本で言われたり書いたりしているが
それは単なるしつけの問題ではなく
上からおしつけられたのではない
ヨーロッパの本質的な、歴史的な、自分たちみずからが共同体を作り
共同体の財産を守ろうとする伝統なのだ。


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