[No.16419]
Re: 安藤優一郎:大名行列の秘密
投稿者:
投稿日:2011/01/12(Wed) 17:26
[関連記事] |
> 最後の広島藩主浅野茂勲(しげこと)(明治になり改名し長勲ながこと)は20代後半で明治維新を迎えたが
> 江戸の社会風俗の記録者として知られる 三田村鳶魚 (みたむらえんぎょ)の質問に答える形で
> 大名時代の日常を語った。
寝所に入っても、警護の不寝番が座っていては、殿様はゆっくり眠られない。
当然睡眠不足になる。参勤交代では数日から十数日かかるから、どこかで睡眠不足を解消しなければならない。
どこで睡眠を補うかというと、それは駕籠に乗ったときである。駕籠の中で眠るという。
しかし、駕籠の乗り心地といえば、駕籠の中に薄い布団が敷いてあるくらいなので、あんまり楽ではなかったと浅野の殿様は述べている。
参勤交代の大名行列は一日にどれくらい歩いたか、どうやら平均32〜36キロぐらい歩いたらしい。
盛岡藩南部家の場合、盛岡から江戸間で11泊12日もしくは12泊1日の旅だったという。平均すると一日に43〜46キロ歩いたことになる。
盛岡ー花巻ー水沢ー神成ー三本木ー仙台ー大河原ー福島ー郡山ー白河ー佐久山ー宇都宮ー杉戸ー千住ー江戸
大名行列には警護の武士だけでなく、殿様専任の料理人もメンバーに加わっていた。
宿場の本陣に行列が到着すると、料理番が台所に入って調理する。調理が終わると、料理の責任者である台所奉行がまず毒味する。
それからいよいよ、殿様の御前に出されることになるが、今度は殿様の毒味役による再度のチェックが入る。毒味役は実際は近習が毒味をしていたようだ。
二重のチェックを受けた後、ようやく殿様は箸をつけることができた。
こうして毒味された食べ物は、味がまずくても一言も言えない。何か嫌いなものが出たら無理して飲み込むこともある。
事前に希望を聞かれるが、出てきた料理が口に合わなくても、出されたものは食べないと、料理人の責任問題に発展するから残さず食べることになる。
量も決まっていて、それを毎日規則正しく食べることになる。
この本には携帯用の風呂と携帯用のトイレの説明もありました。もちろん殿様専用です。風呂は沸かすのではなく、お湯を運んできて風呂としたようです。