わが国の電子政府は、いま、どんな姿をしているのでしょうか? 一言でいうと、 相も変わらぬ縦割り行政のなかで、それぞれの官庁が好き勝手なシステムを作って 市民へのサービスを怠り、税金を無駄遣いしています。
たとえば、故あって昨年は、何通もの住民票を法務局に提出することになりました。 中には、3か月の期限切れで、再取得したものもありました。
法務局は、何のために住民票を要求するのでしょうか? それは、いうまでもなく、 提出文書に書かれた者が、本当に書かれた住所に住民登録されているかどうかを確認 するためです。これは、住基システムに問い合せれば一発で分かることで、その方法 なら、期限切れも起こりようがありません。
では、法務局は電子化が進んでいないのかというと、決してそんなことはありません。 自分の縄張りのなかでは、どんどん電子化を進めています。
国税庁は、珍しく自分のシステムと住基システムとの連携を図りましたが、住基カード のとんでもない使い方で不評を買い、自分のシステムの普及が妨げられて悩んでいます。
おそらく唯一の例外であろうと思われるのが外務省です。前にも書きましたが、 パスポート申請で、住民票の提出を不要にしました。名古屋市の河村市長も、住基 システムを離脱するのであれば、これだけは、なんらかの補償をしなければと考えて いるようです。
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