ニュースによれば、福島第一原発から半径20キロ以内の「警戒区域」へ一時帰宅される方は 70センチ×70センチぐらいのポリ袋に入る範囲の品物を持ち帰ることがおできになるようですが 「何をもってくるか」は難して問題と思います。
2−30年前に、隣家から火が出ました。 風がまわってきていて、一時は我が家が類焼する危険大というところまで来ました。
消防の方が「早く家に戻って、貴重品を持ち出しなさい」と言っておられましたので 家に入ってみたものの「我が家にとって貴重品とは何か」が頭に浮かびません。
「通帳、印鑑」などの入った小箱は別として、「一体、我が家に貴重品なんてあるのか」と 考えてしまいました。
手伝いに来てくださっていた、町内会の方々に、そのことをお話ししますと 「「ふとん」や「衣類」はあとで買えるよ。 「オタクの貴重品はオバアチャンだよ。 早く、オバアチャンを安全なお宅へ預かってもらいなさい」とおっしゃったのです。
以上は別としまして、こういう場面で、貴重品とは「高価な物」でしょうか。 それとも「すぐ必要になる物」でしょうか。
今日、一時帰宅なさった方のリストにも「家族のアルバム」「おばあちゃんの下着」 など、色々なものが載っていました。
母から聞いた話では、同じようなことは、戦争中にも経験したということでした。 「貴重品を疎開させる」ということが流行った時です。 我が家の親しい方は音楽家だったのですが 商売柄これだけは焼くわけにはいかないと「燕尾服」を疎開させたそうです。
戦後、燕尾服以外の衣類をすべて焼いてしまった音楽家の方は、 焼け跡で「いゃあ、燕尾服を着て風呂を焚くのはやりにくいですな」と言っておられたそうです。
皆様にとって「ぜひ、火事場から持ち出したい物」とは何でしょうか。
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