倉田百三の名作
五木寛之も若い人に読ませたい本といったが はたして現在も書店に売られているかと心配したら ちゃんと売られているとのこと。
永遠のベストセラー。 外国でも翻訳された。
本書にキリスト教的要素が認められることに対して 国内の仏教者からは反発が生じたが そこに、かえってキリスト教と仏教、つまり百合の花と蓮の花との調和を見いだし 激賛した人が、ノーベル賞作家のロマン・ロランであった。 (鈴木範久の解説より)
遠い所から親鸞のありがたい教義を求めて旅をしてきた信者たちに 「信心と学問は別」と言って、ひたすら念仏することのみを言う親鸞。 人を愛し、人を許せと。
阿弥陀如来をひたすら信じる、法然上人を信じる。 法然上人に騙されたら、それもよいという親鸞。
親鸞や唯円のようにそんなに信仰の道まっしぐらには進めない われわれ凡夫のモデルともいえる人物が何人かも登場していて どこか迷いをいだいたり、自分のような罪の多い人間は救われるだろうかと疑ったりする。 それも人の世の自然な姿なのだと感じてしまう。
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