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[No.176] 物語法然さま 投稿者:男爵  投稿日:2011/11/22(Tue) 05:44
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知恩院編
山本正廣著
物語法然さま

法然は幼名を勢至丸といって
父親は武士だった。
あるとき父親は対立する武士たちに屋敷を襲われ
深傷を受け亡くなる。
父は亡くなるとき、仇討ちをするなと遺言を残す。

勢至丸は母の弟の山寺の住職のもとで勉強し
才能があるのを認められ
比叡山で修業することになる。

牛若丸のちの源義経は1159年に、源義朝と常盤との間に生まれた。
平治の乱で、父は平清盛に倒され、牛若丸は、七歳になったころ鞍馬山に預けられ
仏教や儒教を学ぶなど、学問に明け暮れる毎日を過ごしたが、
源氏ゆかりの者たちの要望にこたえ、武士の道を歩んだが
兄頼朝の不興をかって平泉で死ぬ。

父親が戦いで死んだが、法然は仏教者の道を選び、義経は武士の道を選んだ。
二人の生き方は対照的である。

法然 1133ー1212
源義経 1159ー1189
親鸞 1173ー1262


[No.188] Re: 物語法然さま 投稿者:男爵  投稿日:2011/11/22(Tue) 16:54
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> 物語法然さま

信者からの質問に法然が答えた問答集が残っている。

問い にら・ねぎ・にんにく・肉などを食べて、きつい臭いが消えていなくても、常に念仏申してもよいのでしょうか?
答え 念仏には、なんにも差しさわりがないのです。

問い 父母より先に死ぬのは、罪であるといいますが、どうでしょうか?
答え この世界ではよくあることで、悲しいけれど人間の力ではどうしようもありません。(だから、罪ではないのです)

問い 酒を飲むことは罪になるのでしょうか?
答え 本来は飲むべきではありませんが、この世の習慣でもありますから、罪はないでしょう。

問い 女性が生理のときは穢れているといいます。経を読むのはどうでしょうか?
答え さしつかえありません。(不浄では決してないのです)

問い 念仏を行じている人が、神社に参詣するのは、いかがですか?
答え 差し支えありません。

法然のわけへだてない平等の救済思想は、女性に対しても変わらなかった。
当時は女性は、救われがたい存在だとされていた。
(出家とその弟子にも、女は救われないのですかというセリフがある)

女性は、東大寺の大仏を遠くから眺めるだけで、大仏殿の扉の中には入れませんでしたと、この本に書いてある。

しかし、法然は女性が話を聞きに来るのをこばまなかった。
「法然上人行状絵図」には、法然の話を聞きいる人たちのようすが描かれているが
約四十人の中、十三人の女性が登場している。
また別の場面では、女性の一団に向かって話す法然の姿がある。