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[No.348] 南洋一郎:吠える密林 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/01(Thu) 19:12
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アメリカの探検家ジョセフ・ウィルトンの回想をもとに
主人公が友人フランクとともに
アフリカの密林やボルネオ、マレー半島などで行った
冒険の数々がもり込まれている。

誰もが手に汗握る読み物で
一度読み始めたら、読み終えるまで、やめることはできないだろう。

獅子との戦いの場面は
「ジャングル大帝」の誕生に影響をあたえたかもしれない。

昭和7(1932)年
「少年倶楽部」4月号から12月号まで
「吠える密林」を連載した。


[No.358] 江戸川乱歩:黄金豹 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/02(Fri) 05:58
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少年探偵団の小林少年と明智小五郎が
黄金豹をあやつり宝石などを盗み出す怪人二十面相と
対決する話。

昭和31(1956)年
「少年クラブ」1月号から12月号まで
連載された。


[No.440] 海野十三:浮かぶ飛行島 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/05(Mon) 11:01
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浮かぶ飛行島は
現代なら関西空港がそれに相当するだろう。

軍事技術も平和に応用すれば役に立つ。

南シナ海に浮かぶ飛行島
それを探る川上機関大尉は、まるで007のような存在。

おもしろいから一気に読める。

昭和13(1938)年
「少年倶楽部」1月号から12月号まで連載。


[No.461] Re: 海野十三:浮かぶ飛行島 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/06(Tue) 10:50
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これらの小説は
「少年倶楽部」あるいは「少年クラブ」に連載されたものだが
その雑誌で読んだことはない。

いまここで書いたのは
日本児童文学大系29巻 ほるぷ出版
を借りて、読んだものである。

戦前の 「少年倶楽部」の人気作家としては
あとは佐藤紅緑「あゝ玉杯に花うけて」や
山中峯太郎「敵中横断三百里」などがある。
  ほかに 高垣眸、吉川英治、大佛次郎もあるが。

漫画なら
田河水泡「のらくろ」
島田啓三「冒険ダン吉」
というところ。


[No.523] 山中峯太郎:亜細亜の曙 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/12(Mon) 14:11
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> 戦前の 「少年倶楽部」の人気作家としては
> あとは佐藤紅緑「あゝ玉杯に花うけて」や
> 山中峯太郎「敵中横断三百里」などがある。

というわけで
今度は
山中峯太郎の「亜細亜の曙」です。

日本児童文学大系20巻 ほるぷ出版
を借りて、読んだのでした。

すごいすごい。 007みたいだ。
 007や仮面ライダーは世界制服をたくらむ悪の一味に敢然と戦うのだが、正義のヒーローが、相手が○国だとすれば、このようなスパイ小説となる。

それにしても、この主人公は英語やドイツ語だけでなく、江西省の言葉もインドの言葉も話す。 しかも液体空気の爆発力(ロケット)の専門知識もある。
そして筋骨隆々たる武闘家なのだ。

  ネットにも書評があります。
http://www.h3.dion.ne.jp/~meijin/page062.html
山中峯太郎の代表作に「少年倶楽部」一九三〇(昭和5)年四月号から九月号かけて連載された「敵中横断三百里」がある。
これは日露戦争での建川挺身騎兵斥侯隊の活躍を描いたもので、実録風を装った冒険活劇に多くの読者が喝采をあげることになり、単行本化されても何百刷かを数えたらしい。
 この連載に続けて山中峯太郎は「日東の剣侠児」(一〇〜一二月号)、「亜細亜の曙」(一九三一年一〜一九三二年七月号)、「大東の鉄人」(一九三二年八〜一九三三年一二月号)と延々二年以上にわたってスーパーヒーロー本郷義昭軍事探偵のシリーズを書き継ぐことになる。
 そのなかでも孫文の言葉から題名を採ったという「亜細亜の曙」が特に人気を博したようである。
 物語は、前作「日東の剣侠児」で第一次世界大戦中にヨーロッパ戦線で連合国側について大活躍した本郷義昭が、今度は日本から某国により盗み去られた日本大兵器製造所の計画機密図を追って、中国から南洋にある某国の秘密要塞・巌窟城へと潜入するのである。
 「日東の剣侠児」では敵として争ったドイツのクロック中将と出会い同盟を結び、巌窟城内ではインド独立をめざす少年ルイカール王子と一致協力して日本をアジア征服しようとする某国、白人たちと戦い、ついにはその野望を打ち砕くのである。


古書も売られている。
http://search.newgenji.co.jp/sgenji/L3/?10188847/


[No.534] Re: 山中峯太郎:亜細亜の曙 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/13(Tue) 07:29
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間違い発見

>  007や仮面ライダーは世界制服をたくらむ悪の一味に敢然と戦うのだが、正義のヒーローが、相手が○国だとすれば、このようなスパイ小説となる。

世界制服 → 世界征服 でしたね。

何度か見てからアップしているのですが
やはり校正しきれていない。

ここは書いてしまってから訂正がきかないから
やむをえません。

山中峯太郎は戦後に公職追放になったのですが
本人は自分の作品はフロンティア・スピリッツであって
公職追放されても自分は無実であると主張しています。

私が読んだ
日本児童文学大系20巻 ほるぷ出版
の解説には
上 笙一郎(かみ しょういちろう)のわりあい好意的な山中峯太郎解説
が紹介されています。
 アジアの民衆の苦しみをともに苦しもうとするナショナリズムからはじまったが
 国際情勢が変わり、日本国家の対アジア政策が変貌すると
 山中峯太郎が誠意を込めて書いた理想小説も、日本国家の対アジア侵略政策の
 一部として巧みに利用されてしまった。
なお、上 笙一郎は本名山崎健寿、児童文化研究家で、あの「サンダカン八番娼館」を書いた山崎朋子の夫です。

上 笙一郎はともかくとして、山中峯太郎は日本軍国主義の片棒を担いだ作家というのがどうも支配的な見方のようですね。