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[No.388] 赤塚不二夫「人生これでいいのだ」 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/03(Sat) 17:05
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1999年2月に集英社から出た本。

立川談志と赤塚不二夫が対談している。
 談志が赤塚に、酒やめているのかと聞くと、赤塚は飲んでいると答える。
そこで二人は飲みながら対談をはじめる。
  赤塚は平成20(2008)年 8月2日、肺炎のため逝去。享年72歳。
  談志は喉頭がんで今年の11月21日に亡くなった。享年75歳。
http://www.koredeiinoda.net/

二人ともがんになりながら思うような人生をおくり立派に長生きした。

読者の質問「いままでで一番おいしかったお酒は何か」に対して
赤塚は、酒の味は一緒に飲んでいる人間で決まると答えている。
彼の人生で一番忘れられないのは、20年くらい前に
映画監督をやっていた足立正生(まさお)と飲んだときだという。
足立正生は赤塚の飲み仲間の若松孝二映画監督の弟子で
若松の映画は全部、足立が脚本を書いていた。
足立は一本気な性格で、世界革命をめざして日本赤軍に入って
パレスチナに飛んで行った。
あしたパレスチナに行くという前日に、赤塚の仕事場に来て
「飲もう」と言った。
日本最後の夜に選んだのは、女房でもなく恋人でもなく
赤塚不二夫を選んでくれたことに感激した赤塚は
当時日本にはほとんど輸入されなかったので
わざわざ台湾の知人からから大量に送ってもらったハイネケンを
一緒に飲んだという。

別の読者から
天才バカボンのパパとママは、それぞれ相手のどこが好きで結婚したのか
特にママから見てパパの魅力は何かという質問に対して
赤塚の答えは
ただ読者を驚かそうと、すごく不釣り合い夫婦を出してみたのだという。
ムチャクチャな設定のマンガだったのに
バカボンのパパのキャラクターが世間に認められるにしたがって
だんだんヘンだったはずの夫婦がヘンでなくなっちゃったというわけだ。
読者のほうが「きっとパパは、ママから見れば子どもみたいにカワイイから
一緒にいるんだ」と勝手に解釈するようになった。
作者の赤塚もそこまで考えていなかったのに、だんだん作者自身が
「このパパとママは似合いの夫婦だ」って思うようになった。
すべては成り行きだ。
 赤塚は14歳も年下の今の女房と再婚したのも成り行きだという。
 「どうしても結婚してください」とお願いしたわけではない。
 なんとなくだんだんそうなっていったのだという。

赤塚は講演が嫌いだという。
講演そのものは聴衆の聞きたい話を選んでするから好評なのだが
問題は講演が終わってから、町長だとかその地方の名士と一緒に宴会を
するのが苦手という。
知らない人たちとばかりで飲むのは疲れるのである。
赤塚は人見知りする性格なのだ。