海渡英祐:伯林 一八八八年
ドイツ留学中の若き森鴎外が密室事件の謎を追うというユニークな設定。 第13回乱歩賞受賞作品。
ドイツのローベルト・コッホ研究所に留学中の森林太郎(後の森鴎外)は友人北里柴三郎と 1888.1.7にウンター・デン・リンデン通りを走るビスマルクの馬車に 無政府主義者の青年が近寄るが警備の警察官に取り押さえられる場面を見る。
鴎外は友人岡本修治とその女友達ベルタと彼女と同じ踊り子エリスの4人で いつも集まって、ベルリンを若い仲間と楽しくすごしていた。
(事件と鴎外の推理などはバッサリ省略)
森鴎外がビスマルクと同時代に同じベルリンにはいたが、 森鴎外を探偵にするとは。
最近は 鴎外や漱石をにわか探偵に仕立ててSF的な推理小説を書く作家がいるが とてもついていけない。
フィクションも(許されるのは)このくらいだろう。
|