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[No.491] 痛快!知的生活のすすめ 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/08(Thu) 10:34
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渡部昇一・和田秀樹:痛快!知的生活のすすめ

いま四つの図書館から合計35冊の本を借りている。
これを2〜3週間で読まなければならない。

先週X図書館に行ったら、めったにない休館日だったので
それではとS図書館に行って10冊借りてきた。
翌日にX図書館に行っていつものように10冊借りてきた。
というわけで気がついたら35冊になっていた。

本来はもっとゆっくり読めるはずなのだが
都合により明日急に返さなければならなくなった図書館のため
本日中に急いで3冊読むことにしている。(昨日はそういうわけで別の3冊を大急ぎで読んだ)

そういう事情があるので
この本も駆け足の斜め読みになりそう。

最初に渡部昇一が面白いことを書いている。
 共著者の和田秀樹は東大医学部卒の秀才である。
しかし、アメリカ留学をしたところ、はじめは英語が聞き取りにくく
相手の言うことがわからないので苦労した。
そのうちに英会話も慣れてくると、相手はたいしたことは言っていない
ことに気がつき、それではと自分も論文を書くようになった。
 アメリカ人は最初会話の全然できない日本人が来たと思ったが
その日本人が、ある日突然立派な論文を発表したので驚いてしまった。

この経験は渡部昇一も同じようなことを体験していて
最初の英会話でとまどうのは第一次語学ショックという。
日本の英語教育では読み書き中心で会話は重視していないから
そんなことになる。
そのうち会話にも慣れてくると、相手の言うこともわかるし
自分も主張できるようになる。
アメリカ人は、日本人の書いた論文は文法もしっかりしているし
内容も立派なので驚いてしまう。
これを第二次語学ショックと渡部は呼んでいる。
欧米人は話すことはできても、文法的にしっかりした文章を書く人は少ない。
逆に言えば、教養ある人しか文法的に正しい文章は書けない。
日本人の場合、会話は下手でも、受験英語などで文法はしっかり身についているので
欧米人から感心されることが多い。


[No.492] Re: 痛快!知的生活のすすめ 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/08(Thu) 14:01
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> 渡部昇一・和田秀樹:痛快!知的生活のすすめ

ダーウィンに「種の確立」を教えたのはウォーレスである。
 ウォーレスはマレー半島を回っているときに
「どのようにして新しい種はできるのか」という問題について、ダーウィンに手紙を送っている。
ダーウィンもそれまで20年近くさまざまな資料を集めていたが、なぜどのようにして変種になるかということについては、わからなかったのだ。

ウォーレスは、もとの型であるAから離れて変種A'が生まれ
それがさらにA''になりというように、無限に離れていくことによって
別の種になるのではないかと考えた。
これは微分の概念から発想されたものだったが、おそらくダーウィンは微分を学んではいなかったのだろう。

ウォーレスはダーウィンに最初の手紙を出した2年後に
インドネシアのモルッカ諸島のなかのテルナテ火山島に行った。
そこでマルサスの「人口論」を思い出した。
これは、人口というのはいつも食料の限度以上に増え続けようとするが、さまざまな障害があって抑えられるという理論である。

ウォーレスの本職は昆虫採集だったから、昆虫をつぶさに観察してきた。
昆虫はじつに膨大な量の卵を産むにもかかわらず、一方的に増え続けていかないのは
増やさない力が働いているからだということに気がつくのである。
弱いものは強いものに食べられて、自然淘汰されていくということである。
では最後まで食べられないものは何だろうと考えたとき
彼はマルサスを思い出し、生物進化の「自然淘汰」の原理に思い至ったのだ。
彼はその考えを論文にまとめあげて、ダーウィン宛に二度目の手紙を送った。

それを受け取ったダーウィンは、腰も抜かさんばかりにおどろいた。
自分が20年間やってきたことは、いったい何だったのかとさえ思ったらしい。
けれども地質学者のライエルや動植物学者のフッカーらダーウィンの友人たちが
なんとかダーウィンにプライオリティ(優先権)をとらせたいと
その生物進化の「自然淘汰」の原理を、ウォーレスとの共同発表という形で
リンネ学会で発表させた。
そしてダーウィンに「種の起源」の出版を決行させ、世間一般敵に進化論の議論が
始まることになった。

そうしたところ、1980年ぐらいになって、ブラックマンという人がリンネ学会の
議事録を調べていくうちに、ダーウィンは「進化論」を発表していない
ということに気づいた。
「進化論」を発表しているのはウォーレスで、それは序論・本論・結論の
どれをとってもまったく完成されたものだったのだ。

ウォーレスは、それほどまでにしっかりしたものを書き上げて、送っていたのだ。
一方ダーウィンが発表したものは、理論にはなっていない研究の一部をちょっと出した
ものにすぎなかった。
それを彼は共同発表という形にしてごまかしたというわけである。

このウォーレスの発見は、脳に蓄積されたものが新しい思考に生かされたという
典型的な例といえるのではないか。


[No.493] Re: 痛快!知的生活のすすめ 投稿者:男爵  投稿日:2011/12/08(Thu) 19:21
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> > 渡部昇一・和田秀樹:痛快!知的生活のすすめ

「鬱病の患者さんを励ましたりしてはいけないのですよね」とはよく聞かれることだが
それぞれの人によって鬱のタイプが違っているから、一概にそうであるとは言えない。
なぜならば、励ましてほしいと思っている鬱病患者もいるし
頑張れないでいるのに「頑張れよ」と励まされることで、ますます落ち込んでいく患者もいるからである。

したがって、相手のものの見方を知るために、相手の心の文脈をつかんでいかなくてはならないから
ずっと長い時間をかけて相手の話を聞いていくということが、たいへん意味をもってくる。

そういうときも、他人の目で見るとこのことはどういうふうに見えるのだろうか
と考えることが必要になる。
お金持ちの立場だったらどうか、貧乏人の立場だったらどうかというように。

*****

同じ刺激、つまり相手に同じことを言ったりしても
人によって反応が違う。

励ましの言葉を舞っている鬱の人がいるなんて
聞いてみないとわからない。