「影を売った男」の話は高校生の時に読んだ本。
シャミッソーの「ペーター・シュレミールの不思議な物語」が原題で 幸運の金袋と引き換えに自分の影を失った男の運命を描くメルヘン風の小説。 ドイツロマン主義文学の代表的な作品の一つ。
この話の影とは 自分の大事なもの、アイデンティティである。 シャミッソーはフランス革命でドイツに亡命したフランス人だった。 ドイツで生涯を終え 植物学者としても活躍し、ベルリン植物園園長および科学アカデミー会員となった。
つまり影とは、フランスとドイツの間でゆれる国籍とか自分のアイデンティティなのだろう。 在日の人が感じるような自己の意識と似ているのかもしれない。
スティーヴンスンの「瓶の中の小鬼」は このシャッソーの「影を売った男」がヒントになったのだろう。
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