多湖輝:なぜか人生がうまくいく人の理由
今現在も人間関係を築き続けている人はうまくいく 人生がうまくいく人は、友だちを大切に考えている。友情は財産と考えてもいいのではないだろうか。 美食家で陶芸家でもあった北大路魯山人は、友だちと呼べる人は少なかったようだ。 その原因は口の悪さだった。たとえば寿司屋では、ひたすらネタの悪さをこきおろす。 寿司職人が魯山人だからと我慢しているのをいいことに、言いたい放題言って引き上げるのだという。本人は行きつけの店と思っていた寿司屋の主人が「顔も見たくない常連客」というようなことを言っていたという。 あるいは、先輩の陶芸家の作品を見ては「ひどいできだな」とけなす。「この中で少しましなのはオレの作品ぐらいだ」と言い放ったという。 このようなことから晩年は訪れる人もなく、一人寂しく土をこねていたという。魯山人はたしかにすばらしい作品を遺した。 しかし、彼の人生は幸せだったなと考えると、必ずしもそうとは言えないのではないだろうか。 友だちはたくさんつくりたいと考える著者も、魯山人のような人は敬遠するという。友だちという財産を減らされることを恐れるからだという。
年賀状を書くのが苦痛になった著者は 還暦を迎えたのを機会に 年賀状を出すのをやめてしまった。 すると気分が良くなった。
傷だらけの英空軍機が教えてくれた 「頭の体操」式問題解決法 第二次世界大戦、イギリスの爆撃機は、優秀なドイツの爆撃機の 追撃を受けて、イギリスに帰ってこられない未帰還機が続出した。 どうしたら飛行機を無事帰還させることができるか。 いったい飛行機のどこを補強すればいいのか。 まず、銃弾に傷ついて帰還したイギリス空軍機が集められた。 補強は機体を重くしてしまうので、できるだけ補強箇所を絞り込む必要がある。 どこにより多くの銃弾が当たっているか、一機一機チェックされ 補強箇所が検討された。より多くの銃弾が当たっているところを重点的に 補強しようというわけである。 ところが、チェックが終わろうとするとき、一人の技術者がこの方法の致命的ミスを発見した。 彼は「このやり方では補強にならない」と言った。 これらの飛行機は、銃弾に傷つきながらもともかく帰ってきたのである。 この技術者はそのことに気がついた。つまり銃弾が多く当たっていても そこは致命傷にはならないということになる。 飛行機にとって致命傷は、逆に銃弾が当たっていないところにあるはずだ というのがこの技術者の指摘だった。 たしかに、不幸にしてそこに銃弾を浴びた飛行機は帰ってこられなかったと 推測された。 イギリス空軍は、この指摘を元に銃弾が当たっていない箇所を入念にチェックし 補強箇所を探り当てたということである。 目に見えるものの中に問題があるとは限らない。むしろ逆に、見えない部分に 問題の核心が隠されていることが多いという一つの教訓を示す話である。
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