山極圭司:徒然草を解く
徒然草の作者の吉田兼好は 枕草子の愛読者だったらしい。 清少納言を高く評価し影響を受けたと この本の著者は考える。
吉田兼好は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての人。 本名は卜部兼好(うらべ かねよし)。
実家の卜部氏は古代より卜占を司り神祇官を出す神職の家柄であり、父兼顕も吉田神社の神職であった。 堀川家の家司となり、正安3年(1301年)に後二条天皇が即位すると、天皇の生母である西華門院が堀川具守の娘であったことから六位蔵人に任じられる。 従五位下左兵衛佐にまで昇進した後、30歳前後に出家する。
おそらく政治の世界にいやけがさしたのだろう。 あるいは勢力争いにまきこまれる危険を避け保身のためだろう。 そのおかげで安泰な生活をおくれ、後世に残る作品ができた。
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