広瀬弘忠:きちんと逃げる。 アスペクト(2011.9)
著者は東京女子大学名誉教授で専門は心理学。
東日本大震災のこと 特に福島原発のことに関して 日本政府と東京電力の無責任さを非難し 国民が自分で自分の身を守らないといけないことを 述べている。
心理学が専門なので 原子力発電所の事故の原因分析がどの程度 学問的に正確で妥当なのかは不明だが 危機管理ということで、心理学からみた 当事者の落とし穴などを述べている。
津波予測についても 気象庁の最初の予測がはずれて 状況がわかってくると、より真実に近い予測に改められ そのあとも修正する形で、関係者へ発表していったのであるが 最初の予測が与えた影響は大きかったようだ。
大きくない、逃げなくてよいと思った住民 それは気象庁の最初の津波予測の誤った情報のせいだ ともいえるのだが 住民も人任せにしないで、自分でも海岸の様子を見にいったた人は すぐ逃げたという。 海岸地域の人は毎年避難訓練しているから慣れていた。
この本の中で 著者は ボランティアツアーは日本特有のものであると述べている。 海外のボランティアの場合は数週間から数か月単位で参加するのが普通で みんな長期休暇をとっているという。 日本の場合は2,3日のボランティアツアーが多い。
そんなに短くてはたいして役には立たないのではないか。 しかし、職場を長い間留守にもできないだろうし 体験するということはそれなりの意義があることだから 日本のボランティアツアーもまあいいだろうと著者は述べている。
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