小野直広:こころの相談
カウンセリングを超える新技法 誰もが使える、短期療法での解決
長年カウンセリングに携わってきた著者が いきついた短期療法
短期療法のルール ・短期療法は、クライエントの問題をなるべく早期に解決する。 ・クライエントは個人でも集団(家族など)でもかまわない。 たとえば登校拒否の本人でなくても家族からでも担任でも相談に応じる ・解決の方法は、問題の中に「小さな変化」をおこすことである。 ・小さな変化をおこすには、いくつかの効果的な筋道がある。これを「万能カギ」という。 ・セラピストとクライエントは、万能鍵にしたがって、手段を相談する。 ・手段は無数にある。そのなかから、なるべく「小さな、容易な、おもしろい」ものをえらんで、クライエントの課題とする。
経済学ではよく「○○のスパイラル」という表現があるが 悩んでいる本人は、ある悩みのサイクルにいて、なかなかそこからぬけだせない。 では、何か小さな変化を与えてみると、それは小さな刺激であっても 悩みのサイクルが一部壊れて、本人の持つ自己解決力が発揮されるきっかけとなる。 そういう例をたくさん報告している。 もちろん、良い結果にすぐつながらない場合もある。 いずれにせよ色々なことを試してみると良い結果がえられることがある。 この本には書いていないが、気分転換するため、カーテンを変えてみる、家具の配置を換えてみる、いつもと(通勤や通学の)違うコースをとってみるというのがありますが、これもこの本の理論の応用編なのかもしれません。
こころの悩みの原因を見つけて、それを正面からなおしていくのが王道であるが そんなことをしていたら時間ばかりかかって問題解決が先延ばしになることがある。 この方法はとにかくベターな結果が出たらよしとする。 いささか結果オーライ的な方法だが実践において多くの悩みを救ってきたことは事実。
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