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[No.93] 即興詩人 投稿者:男爵  投稿日:2011/11/13(Sun) 09:24
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アンデルセンの名作

イタリア各地の自然と風俗を美しく描き出している。

森鴎外の名訳を読んだのだが
じつは半分も理解できなかった。
樋口一葉たけくらべも
現代語訳でないと誤解する部分もある。

というわけで
あとで子ども向きの本を読んで全部理解した。

話の初めの部分には同性愛のことが書かれているらしい。


[No.101] Re: 即興詩人 投稿者:   投稿日:2011/11/14(Mon) 20:44
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> 森鴎外の名訳を読んだのだが
> じつは半分も理解できなかった。
> 樋口一葉たけくらべも
> 現代語訳でないと誤解する部分もある。
>
> というわけで
> あとで子ども向きの本を読んで全部理解した。

 こどものでなくても、「即興詩人」では岩波文庫に大畑末吉の原典訳があり、これは非常に分かりやすい文章で書いてあるようです。

 ただ、格調の面でチョット位負けするかも。


[No.105] Re: 即興詩人 投稿者:   投稿日:2011/11/15(Tue) 14:33
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>  こどものでなくても、「即興詩人」では岩波文庫に大畑末吉の原典訳があり、これは非常に分かりやすい文章で書いてあるようです。

(鴎外訳と末吉訳の違い)

鴎外のでは、冒頭の「羅馬に往きしことある人はピアッツァ、バルべリイニを知りたるべし。こは貝殻持てるトリイトンの神の像に造りなしたる、美しき噴井ある、大なる広こうぢの名なり。

 ここで大半の人は頓挫するのではないでしょうかね。

 だいたい、現在ではローマを羅馬とは書かないし、往くも行くだし、ピアッツァとバルベリーニの間も読点ではなく中黒、もちろんバルベリイニとは書かない。また、トリトンよりポセイドンの方がポピュラー。でもポセイドンでなくても結構。

 噴井も辞書にでてこない。その上、広小路なら分かるが、広こうぢでは分かる人は少ない。

 鴎外自体が、文久の生まれだし、即興詩人を脱稿したのも明治34年である。。いわば骨董品であります。☆

 一方、デンマーク語からの原典訳である大畑訳では、

 ローマに行かれたことのある人は、美しい噴水のあるバルベリーニ広場をごぞんじでしょう。

 これなら、小学生でも分かります。まずこれを読んで、なおかつ余力があれば、鴎外の『創作』に挑戦されては如何か、と。

 ま、あれは、アンデルセンの作と云うより、鴎外の作品と云った方が適切でしょう。

 大畑訳ではトリイトンについても、半人半魚の海神トリトーンが、と原文にないと思われる説明まで加えています。

 この方がすらすらと読めて読者はおおいに助かるのではないでしょうかね、

 鴎外のはl馬語からの直接訳でなく、ドイツ語からの重訳でしょう。

 ☆面白いのは、これを書いたのが初版の例言によると、あっしの住む街の近くの、下志津というところらしいことです。


[No.227] Re: 即興詩人 投稿者:男爵  投稿日:2011/11/24(Thu) 16:24
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唐辛子 紋次郎さん、みなさん、こんにちは。

>  アンデルセンの童話はこどものころ、読んだ記憶がありますが、「即興詩人」などはぜんぜん難しくて歯が立たず、そばにあってもおそらく読まなかったでしょう。

>  極貧の家に生まれた「みにくいアヒルの子」は大成功を収めたようです。発行直後に、ドイツ語をはじめ、6か国語に訳されたというからその人気がいかに大きかったかが分かります。

「絵のない絵本」にも
ドイツのある編集長と編集者たちの会話が出てきて
ある作家の作品を批評する場面が出てきますが
これはアンデルセン自身の経験や感想が反映されていたのではないでしょうか。
 つまり、アンデルセンの本の出版の時の体験の一部では。

ところで
貧しい家で育ったアンデルセンは、王子様の隠し子説があります。
あるイギリス人がそういう本を出しています。
アンデルセンの父親である皇子は皇位につく運命でなかったので
民間の女性にアンデルセンを生ませてから
本命の皇位継承者が亡くなって、アンデルセンの父親が思いがけずもデンマークの王になってしまった。
しかたなく、アンデルセンを里子に出したという説です。

その証拠に、アンデルセンはデンマーク王室から奨学金を受けて
大学に進学します。
いちおう面接などするわけですが、実父から大学に行って勉強するなら経済支援をすると言われ努力します。
その後も定期的に王室関係者と面談したりして、王室との関係は死ぬまで続いたそうです。

「即興詩人」では
オペラ女優アヌンチャタとの悲恋がありますが
作者アンデルセンは、彼女には同情的ではないようです。
やがて主人公は即興詩人として名声を得て、ヴェネツィア第一の清らかな美女マリアと結ばれますが
それも運命的というか、かなり都合のよい筋書きで
安易にハッピーエンドにしたなという印象でした。


[No.236] アンデルセン 投稿者:   投稿日:2011/11/24(Thu) 21:08
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  男爵さん、みなさん、こんばんは。

 アンデルセンがもし、童話や即興詩人を書かなかったら、 多分ただのダメ人間だったろうというようなことを、山室 さんは書いています。男らしいところがマッタクなく、こどもの頃から人形で遊ぶのが好きだった、と。

 したがって、女にぜんぜん持てず、生涯の伴侶ももてな かった。顔もよくなかったし、性格も男性的魅力に欠けるところが、あったらしい。
 
 と、これまでだいぶ大作家の悪口を書いた。これではアンデルファンに夜討ちを掛けられては困るので、ご機嫌直しを期待して、すこしばかり、かれの美点を書いておく。

 アンデルセンはイタリア旅行では、よくスケッチをしたらしく、トリトンの噴水を始め、ヴィッラ・ボルゲーゼ、ソルレントやヴェズーヴィオ山など、みなさんにお馴染みの名所の挿絵がいろいろ入っている大畑訳「即興詩人」は、鴎外のと別様の意味で、楽しい読み物になっているように、あっしには思われる。


[No.277] Re: アンデルセン 投稿者:男爵  投稿日:2011/11/27(Sun) 19:53
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唐辛子 紋次郎さん、みなさん、こんばんは。

>  したがって、女にぜんぜん持てず、生涯の伴侶ももてな かった。顔もよくなかったし、性格も男性的魅力に欠けるところが、あったらしい。

美貌ではなかったようですが
晩年はデンマークの国民的存在でしたから

女性に全然相手にされなかったとは思いません。
交際していた女性はいたようです。
たまたま縁がなく結婚までいたらなかったのだと考えています。

>  アンデルセンはイタリア旅行では、よくスケッチをしたらしく、トリトンの噴水を始め、ヴィッラ・ボルゲーゼ、ソルレントやヴェズーヴィオ山など、みなさんにお馴染みの名所の挿絵がいろいろ入っている大畑訳「即興詩人」は、鴎外のと別様の意味で、楽しい読み物になっているように、あっしには思われる。

アンデルセンの「即興詩人」が、人々にイタリアの関心をひきおこしたと思います。
北の国の人は南の国を憧れるのでしょう。