画像サイズ: 689×477 (97kB) | 美しい自然、美しいお城
ここから山道を15分ほど歩くとお城につく。いま、まさに、シェーネ・マイでありテューリンゲンの山やまは新緑が目にしみるような美しさだ。小鳥の声も楽しげだ。美しいのは自然ばかりではない。 まず、観光地につきもののゴミがほとんど目につかない。それから風景美をめちゃめちゃにする、あの俗悪な広告、看板のたぐいがない。 ワルトプルグ城は小高い山のうえに建てられているのでここからの眺めはすばらしい。テューリンゲンの野山が浅みどりに包まれて拙い筆ではとうてい表現できないほど美しかった。私はいつまでもあかずにテューリンゲンの春を満喫していた。これをみただけでもはるばる東ドイツまでやってきた値打ちはある。 お城は900年以上もまえにたてられたもので、どっしりとしたダイナミックな山城だ。いかにもドイツらしい重量感が感じられる。何度も増改築をかさねているらしいが、そういう不自然さはない。2時から専門のガイドによる案内があるというので入場券を買って入り口にならんだ。
ガイド付きのお城見物
2時ぴったりにガイドが現れた。ジーパンにティーシャツ、その上にヤッケをはおっている。30すぎのやせたインテリ風の男のひとである。切符をみせると「ダンケシェーン」といってなかに案内してくれた。 30人ほどの見物客は家族ずれ、老人クラブなど雑多なひとびとであるがみんな至極お行儀がよい。どうやら外国人は私だけらしい。 案内は当然のことながらすべてドイツ語で、これも当然のことながら私にはさっばりわからない。みんな、熱心にきいている。ときどきげらげら笑っているのであまり堅い話ばかりでもなさそうだ。 リヒヤルトワグナーの「タンホイザー」の舞台となったモザイクの間、マルチンルッターが新約聖書のドイツ語訳を完成させたルッターの居間、壁には、歌合戦やエリザベート伝説を題材にしたフレスコ画がえがかれている。部屋数だけでも大変なもので、これをひとつひとつ丁寧に案内してくれる。とに角、奥から中世の騎士が現れても、吟遊詩人がたて琴をかかえてでてきても一寸もおかしくない雰囲気のお城だ。一言葉なんかわからなくっても、すこしも退屈しない。 |