| さんらく亭さん、みなさん
 > > 「リンゴの唄」は実は
 > > 終戦後ではなく戦時中につくられた歌なのです
 
 和田登:唄の旅人中山晋平、岩波書店(2010)197〜198頁
 に書いてありました。
 
 「リンゴの唄」は
 サトウハチローが
 日本の軍歌はあまりにも暗く、悲愴すぎるとし
 「陽気な軍歌のない国は負けると思っていたから」
 明るい軍歌として「リンゴの唄」を作ったという。
 
 その歌を戦後に映画主題歌として使うにあたり
 現在歌われている一番の前にあった幻の一番を削除して世に出したところ
 大ヒットとなったというわけなのである。
 
 その幻の一番とは、次のようなものである。
 
 リンゴ畑の 香りにむせて
 泣けてくるよな 喜びを
 若さに濡れている リンゴの瞳
 乙女の希望が 光ってる
 リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ
 
 せっかく昭和18年にサトウハチローが書いたのに
 この歌は他の歌(軍歌)にくらべて浮いた存在だったので
 軍部の検閲では、こんな軟弱な歌が許せるものかと
 お蔵入りにされてしまった。
 
 
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