> > 竹内敬二:電力の社会史 朝日新聞出版 > > 朝日選書898 > > 電力の社会史 - 何が東京電力を生んだのか
東電のトラブル隠し(2002.8.29 発覚)
東京電力が原発の自主点検データを改ざん、隠蔽していた。 点検を請け負った米国企業の元社員からの告発で判明した。 点検で見つかった「ひびの数」を少なく記載するなど、原発13基で29件の不正があったと発表した。 原子炉圧力容器内にあるシュラウド(炉心隔壁)のひびを何度も見つけていたが未報告だった件などが悪質とされた。
このスキャンダルの責任をとって、南直哉社長、荒木浩会長、那須翔相談役、平岩外四相談役、榎本聰副社長が辞任した。
しかし、調査が進む中で疑惑が広がった。 なかでも悪質だったのは、福島第一原発1号機 (2011年の事故で最初に炉心溶融と建屋の水素爆発を起こしたが) で国の検査をだました件だ。 原発の格納容器は3.11のような事故が起きたとき、外部への放射能漏れを防ぐために高い機密性が求められる。
1号機の定期検査の前、格納容器から少し空気が漏れており、原因がわからなかった。 そのままでは検査が通らないので、根本原因を探すのをやめ 「漏れる分」だけをひそかに注入して圧力計の針が機密を保っているように細工をして 国の検査官をだました。 検査や検査官を軽視し、形だけ整えば問題ないという姿勢が当時からあったことを示すものだ。
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原因を調べないで 漏れる分だけ注入したとは。 注入量が多すぎたら、変なデータがとれるところだった。
これを見ても 東京電力には原子力発電所を運転する資格はないように思われる。 福島原発の事故は起こるべくして起こったように思われる。
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