身の毛もよだつ怪物とか、怪人、また史上類を見ない大悪人とか、いわゆる『悪魔のような女』といった連中が次々出てきて、読んでいるうちにゾクゾクしてくる。
また、これはよくできた怪談でも同じ事。むかし、上野で怪談噺を聞きましたが、この会場はすごく立体的というか、山場に差し掛かると、いちどに部屋中の電気が一斉に消え、人魂の映像が、そこここをふわりふわりと遊泳する。音響効果もまた抜群、話者も顔を上げた途端に血だらけのお面相に早変わり。震える観客のまん前に「ハイ今晩は!」。相当肝っ玉の太いヤツでも、思わずキャ〜と叫びたくなるようなヤツ、いかがな紋でやんしょう。むかし、怪談専門の、一龍斎なにがしという講談師が、おりやした。
引っ籠り組は、家でいま書いたようなやつのDVDを見る。隣室との間の壁がとりわけ薄いばやいは、あまり恐怖の叫び声などを上げないよう、それなりの配慮が必要でしょうね。
また、もともと心臓病などの持病のある方も、掛かりつけの医師によく相談してからにした方が無難ですね。以上、念のため。
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