路傍の石(1955)
小学生の時に見た映画なので さっぱりわからなかった。
戦前の未完の小説で 作者は当局からストップがかけられ 戦争が終わって、さあ自由に書けるぞと思ったのに 自分でも書きたくなくなって、そのままにしたらしい。
書きたいものが抑制され、ますます書きたくなったのに 戦後には自由に書ける時代になったら 意欲がなくなったらしい。
配役は 父庄吾 伊藤雄之助 母れん 山田五十鈴 だった。
あの寅さんの山田洋次監督が少年時代に 戦前に旧満州の映画館で この映画を見たそうです。(配役は別)
当時の山田監督の家は比較的裕福で 女中さんがいた。 その女中さんは映画が好きで 若い女が一人で映画館に入るのはまずいからと 山田少年の母親が一緒に見るように配慮したようです。
そのとき一緒に上映した映画のほうが目的の映画で 路傍の石のほうはついでに見たということだったらしいです。
ところが 一緒に見ていた女中さんが泣きながら一生懸命に見ている。 まるで自分のことのように、吾一少年と同一化して見ている。 その様子を見ていた山田少年は、この映画は自分よりは女中さんのための 映画なんだなと思ったそうです。 (吾一少年は奉公先で無理なことを要求され辛い生活をおくっている) (山田少年の家の女中さんは、比較的めぐまれた環境で働いているはずなのに 自分の見えないところでは、親から離れて苦労しているんだなと思ったという)
そして将来 映画をつくるなら 観客が心から感動したり、楽しんだりする映画を つくりたいと思ったということです。
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