つづり方兄妹 (1958年)
関西に住む、親と子ども三人の貧しい一家。 子どもたちは、みな作文が上手だった。
末っ子フウフウは、学校の帰りに茶色の仔犬を拾った。 雨の日いなくなった仔犬を探して歩きまわったフウフウは、その夜高熱を出し とうとう死んでしまった。 悲しみのところへ、フウフウの作文が、モスクワで一等当選になったという知らせが届く。
映画を見ていて、哀しくてやりきれなかった。
彼らの母親役は望月優子で、名母親役である。 この女優は好きだったが この映画の中で やさしい顔をしながら、どこか悲しげに、しかしすこし嬉しそうにして 「今夜はすき焼きにしよう」 という場面があった。
私の家も貧しく、すきやきなど年に1〜2度くらいしか食べられなかった。
いったい何があったのだろうか。 一家は絶望のあまり、心中をしようとするのだろうか。 (ちびまる子でも、一家でフランス料理を食べに行く場面で、まる子が姉に、まさか一家心中するんじゃないよねと言う)
まだ子供だった私は、映画がよくわからなかったらしい。
後で解説を読むと、働くがよく酒を飲む夫にいやけがさした妻の 望月は妹のところに離婚すべきか相談に行くのだが この妹は戦争未亡人で生活が苦しい。
その妹に夫が密かにお金を渡していることを知って 夫を見直し、実は自分はまだ恵まれていて幸せなのだと 感じたから、あのすきやきの場面になったのだということがわかった。
さて 加藤嘉をずっと紹介して なぜ望月優子がでてきたかと 思ったことでしょう。
実は関係があるのです。
加藤嘉は山田五十鈴と離婚してから その後に 望月優子の妹の中村雅子と結婚するのですが あまりにも年齢差があって 大丈夫かと心配したそうです。
だから、雅子と結婚した俳優の加藤嘉は望月優子の義弟に当たるのです。 (加藤嘉のほうが望月優子より年上ですが)
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