昭和19年秋の、国民学校4年生の秋運動会の練習時間に整列して居た時に後方で飛行機の音がしたので振り返って見ていると、就航間もない新型の二式飛行艇と戦闘機(2人乗り)が接近して居てアッと思う間もなく2機が衝突し戦闘機の方は片翼がもげキリモミ状で墜落し、乗員一人がヤット脱出に成功しパラシュートが開いて降下して行きました。
飛行艇の方は、4発あるエンジンの一つから煙を引きながら山(300m)を越えて 行きましたが何処に着水したかは分りませんでした。
後にも先にも、航空機同士の衝突を現実に目にしたのは初めてで、其の瞬間を観たのは私一人のようでした。後ろを向いた為に教師にやかましく注意された瞬間に衝突しました。
戦時中には、他にも似たような事が各地で有ったのだろうなと思ったりしましたが、 当時の軍政下では、この様な情報は一切出なかったと思います。
此の事件も翌朝の新聞等には、どの新聞も一行も書いて有りませんでした。 私の住む街は、明治時代に海軍の鎮守府が置かれ軍港として発展してきた街です。 当港は又潜水艦の基地でもありました。
現在も、米海軍の基地が有り、又海上自衛隊総監部が置かれています。
〜〜 昭 〜〜
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