前にどこかで紹介した本ですが 五木寛之:養生の実技 角川書店 2004
金沢の兼六園での観察 つよい枝は折れる。だから折れないように雪吊りをする。 よくしなう枝は折れない。屈して曲がって生きつづける。 人間もしなう生活を続けながら、曲がりながら生きていけばよい。 自分は強い、頑健だという人はある日突然ポキッと倒れる。 いつも体のどこかが弱くて痛さをなだめながら暮らしている人のほうが長生きするものだ。
五木寛之の持病 偏頭痛の予兆(わけもなくイライラする。ワイシャツの襟もとが窮屈になる。口中の唾液がネバつく)を感じたら、自己対策をする。 風呂に入らない。アルコールは控える。睡眠はたっぷり。無理な仕事は控える。脂っこいものは食べない。
私の場合、ワイシャツの襟もとが窮屈になる。肩がこる。こめかみに硬さを感じる。 涙が出やすくなる。根気が続かなくなる。こういうときは基礎体力が低下している時。 無理しないで、だましだまし、その日をやりすごす。
病院は病気の巣である。できるだけ近づかないほうがよい。(ドイツの病院には子どもが入らないよう掲示がある。病院に入っただけで子どもが悪い病気になる可能性がある) 腹筋運動をあまり熱心につづけると、ウエストが太くなる。 不安と罪悪感をもってタバコをすわない。気持ちよく一服する(喫煙しながら五木も82歳)。 同じ国籍の料理を毎日続けて食べない。 洗髪はほどほどに。皮脂や歯垢にもそれなりの役目がある。 一日に何回か大きなため息をつく。深いため息をつく回数が多いほどいい。 五木寛之にならって、なるべく息を吐く練習をする。肺を空にするくらい息を吐き出す。
あす死ぬとわかっていてもするのが養生である。
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