10年以上前の話で恐縮ですが「市役所のゴミ回収の仕事をしている」と称するオジサンが訪ねてきて玄関の外に立っています。
「これからは、家庭のゴミは、この蓋の閉まるポリバケツに入れて出してもらうことになりました。いずれこのバケツに入れていないゴミは回収しないことになります。一つ3000円で代金引き換えです」といいます。
その日、私は忙しかったので「知らせてくれてありがとう。でも、私、いま、お金ないから、明日、お金をおろしてきて、どこかで買うわ。市役所で聞けば、何処で買えるか分かるわよね」といいました。すると、オジサンがそわそわしている様子なのですが帰りそうもありません。ちょっとアヤシイと思いました。
そこへお向かいの奥さんが現れました。二世帯住宅なので2つ買いたいと言いに来たのです。いつも親切な奥さんは「あら、おたく、お金でしたらお立替しますよ」といいます。ますます不味いことにーーー。
「いいえ。いいんです。私は、すぐ近くに住む妹(架空の)にお金を持ってきてもらいますから」と言ってケータイを取り出しました。かけた先は「110番」です。 しかし、目の前のアヤシイオジサンに感付かれないように電話するのは難しいのです。
「こちら、110番」 「ねぇ。ゴミバケツ買わなくちゃいけないのに、お金がなくて困っているの」と私。 「事件ですか。事故ですか」。 「だから、困っているのよ。いますぐ、お金払わなくてはダメらしいのよ」 「110番には、急用があるときしかかけないでください。それからここへかけたら住所・氏名を言ってください」 ーーーオジサンは、どうも私の通話内容がおかしいことに気がついたようです。
仕方なく、私も電話を切り「妹は留守で、お祖母様しかいらっしゃらないみたい」といいました。
気が付くと、オジサンの姿がありません。お向かいの奥さんもあきらめて帰られたようです。
まさか「110番」へ目の前に怪しい人がいるとも言えずやむを得なかったのですが、 警察も「察しが悪い」です。詐欺犯を逮捕する機会を失ったわけですから。
こういう時、どんな方法で「怪しい人」が目の前にいることを警察へ伝えられますでょうか。
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