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[No.2692] 「テポドン2」 投稿者:Homo(オモ)  投稿日:2006/07/15(Sat) 07:00
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みなさん おはようございます

 「テポドン2」は、最大射程が6千kmないし7千kmと推定される大陸間弾道ミサイル(ICBM)と報じられています。この射程がもつ軍事的な意味を “Google Earth”(仮想地球儀?)でみてみました。

 朝鮮半島北部のムスタン里(発射基地)から、射程6千kmの「テポドン2」でアラスカの大半の地点に到達できます。射程7千kmではハワイのオアフ島に届きますし、カナダの半分をカヴァーします。ちなみにオアフ島にいたる大圏コースは津軽海峡を通ります・・・特に意味のあることではありませんが。
 なお、ワシントンD.C.を目標とするためには射程1万キロのミサイルが必要ですから「テポドン3」の出番ということになるのでしょうか。

 ユーラシア大陸のおおむね中央に位置する某国に「テポドン2」を置きますと、ユーラシア大陸とアフリカ大陸の大半が射程内にはいり、・・・すなわちヨーロッパ全域が射程下にあり・・・アメリカ大陸と豪州のみが射程外となります。同じ地点から最大射程1300kmの「ノドン」によって攻撃可能なのはイスラエルを含む隣接諸国に限られますので、「テポドン2」の軍事的価値はきわめて大であると思われます。

 一般的には、射程のほかにペイロード、命中精度、信頼性なども重要な性能です。しかし「テポドン2」の場合には、まずはそれらしき方向へ飛ぶだけで外交ゲームの強力なカードになるのです。そのために1、2回発射に成功し、とりあえず射程を示すことができれば完成ということになるのでしょう。

 「ノドン」は貴重な外貨獲得手段であり、特定の国々との友好関係を確立し、維持する手段でもあると聞きますが、これは「テポドン2」においても同じでしょう。核兵器とその長距離運搬手段の拡散は、外交的にも北朝鮮を利するものと考えられます。

                         Homo(似非軍事スペシャリスト)


 蛇足:ICBM,CEP,MIRVなどのアクロニムは、冷戦時代に新聞などでよくお目にかかった軍事用語です。MAD(相互確証破壊)というのもありましたが、その造り手のユーモア感覚にはいたく感心したものでした。

                        


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