[No.2882]
Re: 翻訳のむずかしさ
投稿者:
投稿日:2006/09/26(Tue) 22:24
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ぷわら さん、みなさん、こんばんは。
誰でも知っているように、ヴァチカンはイタリアではない。しかし、イタリアの首都ローマにあるのも事実である。そこで、そのイタリアの、政界の反応はどうかと見るに(チョッと旧聞に属するが)、ほとんどが教皇発言(9/12故郷ドイツのでの講演)容認派で、異議を唱えたのはディ・ピエトロ大臣ただひとりである。
かれは教皇はイスラム世界に対し、しかるべき謝罪をすべきだとするが、現首相ロマノ・プロディさえ、議論するまでもなく教皇は、ご自身のご意見を述べられたのだし、宗教間対話と、それぞれの宗教への尊敬が必須であり、そもそも宗教は暴力を正当化すべきでない。従って、全ての宗教は世界中で、対話、共存、平和を推進して行かなければならない、と語った、という。
一方、インフラストラクチャー担当大臣の、アントニオ・ディ・ピエトロ氏は、こうした場合には、誰であろうと、教皇であろうと、バクハツ寸前の状態を助長するような意見は避けるべきである、としている。教皇の言葉は火に油を注ぐのと変わらず、自身で謝罪し、しかるべき説明をすべきだと言うのだ。「主イエス・キリストは、福音書によれば、右の頬を打たれたら、左の頬をも差し出せと教えているし、大体スポークス・マンに丸投げはよくない、」とも。
副首相のダレーマ氏は、教皇庁の説明は、イスラム世界およびジハッドについての教皇の言葉を、余すところなく、正確に伝えている、としている。
北部同盟のカルデローニ氏は、左派のバカ共がそのうち、あの発言は、イスラム世界への侮辱にあたるとか云って、教皇に退位を迫ったりするんじゃないか、と心配だ。教皇のメッセージは、平和的な対話を求めるものだった、と。
大体こんな風なことを言っているようだ。
ところで話は変わるが、こういう本をご存知だろうか?「イスタンブールで、教皇を殺るのは誰か?」何とも物騒な書名だが、これが今トルコで、インターネットを通じて、バカ売れしているそうだ。しかもこの12月、教皇がトルコを訪問することになっているそうだから本の出版は実にタイムリー、というべきなのだろう。
そういえば、過激派は、事件発生直後、教皇庁襲撃も辞さないとメッセージを出した経緯もある。ここで対応を誤ると、事態は思わぬ方角へ向かう危険をはらんでいる。
今回の、教皇のカステル・ガンドルフォでの謁見についての、アラブ世界からの反応として、ある欧州紙は、アル・ジャジーラやアル・アラビーヤは、違った受け取り方をしているとしている。つまり、教皇は謝罪の方は棚上げにして、イスラム側に暴力と縁を切るよう、また、教皇庁側の対話に参加するよう要請したにすぎない、と。
ただ、在伊のイスラム関係者や、イラクは、おおむね教皇の発言を肯定しているようだ。以上。 ではまたそのうちに。