石沢誠司:七夕の紙衣と人形
著者は、長野の出身で京都府立文化芸術会館長
中国から朝鮮半島を経由して 古代の日本に伝わった七夕行事は 江戸時代に庶民層に広がり、日本固有の行事がさらに発達した。 笹竹に短冊や吹き流しなどさまざまな作り物を付けて飾る習慣となって そんな中に 紙で着物の雛形をつくる七夕紙衣(かみごろも)や七夕人形 を飾る習慣があった。
仙台の七夕には吹き流しを含む「七つ道具」を飾る伝統がある。 とくに原町商店街、荒町商店街、南鍛冶町商店街に仙台の伝統的七夕祭り を偲ぶことができる。 吹流し 織り姫の織糸の象徴 短冊 学問や書の上達を願う 折鶴 祖父母、両親の長寿を願う 紙衣 病気災難から守られるよう祈願、裁縫上達を願う 巾着 節約・貯蓄の心養う 投網 豊漁祈願 屑籠 物の始末、整理、整頓の教え
松本地方の七夕人形のいろいろな様式 紙びな型人形 着物掛け型人形 板製上半身に腕木をつけた男女一対人形 川渡り(カータリ) 角材の胴に穴を開け腕木を通し、下部に足を取り付ける。男形のみである。七夕が雨の時、この人形が七夕様を背負い川を渡り二星を合わせる。 流し雛型人形 御神体型人形 オシラサマに似る
この本には松本地方の七夕人形を中心に書かれてあるが 京都の民間にひっそり残る紙衣の「七夕さん」の調査結果も載せてある。 数点が見つかり京都府立文化芸術会館に寄贈されたそうであるが それは 裁縫教育の一環として作られたものであり、将来着物に不自由しないようにという願いも込められているという。
☆一年前に松本に行ったとき、お城のそばの市立博物館で七夕人形を見ました☆ マルチメディア館に写真を載せておきました。 http://www.mellow-club.org/cgibin/free_bbs/07-mm/wforum.cgi?no=13588&reno=no&oya=13588&mode=msgview
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