牛島孝治と女性セブン取材班:ひとめでわかる食品表示の嘘発見カタログ 小学館(2002)
著者の牛島孝治は八代市の養豚業を営む農家に生まれる。 家畜商に豚を安く買いたたかれるので自分で肉屋になろうと思い 精肉店で13年間修業してから独立し「肉のうしじま」を開業。 肉の表示に不正が多いことから、不正表示を調査する市民団体「あ〜消費者の目」 を設立。 現在八代市内で2店舗の精肉店を経営。
九州を調査して、あまりにもひどい状況を目にして 各県の知事宛てに上申書を書いたりした。 あまりにも不正表示が多いので、熊本県の県民生活総室に相談したら 食肉公正取引協議会にいったらいいと言われた。協議会とは組合のことだ。 県は「内部告発はけしからん」と言って、全国協議会も県も 著者をマークし警戒するようになる。 以後、公正取引委員会九州事務所や東京の農水省の鶏卵課や品質課にも 相談するが、何も反応はない。 著者は担当者には食品の不正表示を見分ける知識も能力も意欲もないと指摘する。 そのうちに食品の事件が続き、農水省の講師に就任。
偽装表示ラベル ×国産○○牛の表示なのに輸入牛だった。 ×解凍してから脂肪、すじなどを整えた輸入牛。 ×国産牛のカルビ500gが800円台で買えることはない。輸入肉だ。 ×□□産の馬刺しが、牛肉だった。
国産肉・輸入肉の見分け方アドバイス 牛肉 輸入肉は脂肪やすじが比較的少ない。国産肉は脂肪部分もつけたまま流通。輸入肉に比べて国産肉は形にばらつきが。 豚肉 輸入肉はきれいに形が整えられてあり、脂身が少ない。国産肉は、脂肪やすじに光沢がある。 鶏肉 輸入肉はすべて解凍なので水っぽく、白いすじが際だっている。国産肉はほとんどすべて生肉なので身がしまっていて、つやがある。
買ってもよいドリップ(肉汁)と飼ってはいけないドリップ ○ドリップが透明な赤色なら鮮度に問題はない。 ×どす黒くてねばねばしたドリップ。脂肪やすじがピンク色に変色しているものは要注意。
※魚 「解凍」「養殖」表示が必須。 輸入品は原産国名を記載。 ※貝類 あさり・しじみは輸入が多い。 ※たらこ・イクラ 無添加の「生」はないと思え。 ※うなぎ 産地表示が義務づけられた。 ※えび・かに ほとんど冷凍の輸入もの。 ※干物 あじ・さばは産地表示が必要。 ※野菜 国産品は都道府県表示が必要。 ※米 ブレンド米は使用割合を表示。 ※弁当・総菜 すべての原材料表示が必要。 ※冷凍食品 調味料まですべて表示が必要。 ※卵 生鮮品なので産地表示が義務。 ※バター・チーズ 品質保持期限の長いものを選ぶ。 ※ジュース 濃縮還元よりストレート表示を。
人を見たら○○と思え。 食品表示を見たら嘘と思え。 そんな感想だった。
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