福島県三春のお寺のお坊さん 芥川賞作家だが、宗教の本も書く。 この本は小学生相手に授業をしたことをもとにまとめたものです。 NHK「課外授業ようこそ先輩」
目を閉じて、目線を下に向けると、何か考えるのです。 目線を上に向けると、疲れてきて何も考えなくなります。 上を向いていると眠くなります。眠るときは目は上にいっています。 みんなが夜寝るときに早く寝ようと思っても眠れないときがあります。 眠れないときは目を閉じていても、目線が下の方にいっているからいろいろ考えちゃうのです。 自分で眠りたいと思ったら、目線を上の方にもっていって、左右にゆらしてやったら、すぐ眠れます。
小学生に簡単な自分史を書かせる。つまり人生十大事件とかいって、印象に残った大きな出来事を選んで簡単な説明を書かせる。 そして、(この自分史を他の人に見せ)本人の感想と違う感想を、誰かに言ってもらい、物事を多面的にみる体験をさせる。(子どもの目から見た出来事も両親から見ると別解釈もある)
自分の事件史から選んだ「自分が今まででもっとも不幸だと思うこと」について、自分とは違う見方をする人の話を聞いて考え方を広げた上で それをもとにして新しい物語をつくらせる。 例として、玄侑宗久は大きくなってもオネショをしていたことをみんなに白状して そのオネショにまつわる創作話を子どもたちに聞かせる。オネショをするのは想像力のゆたかな子どもなので、それはよいことなのだと祖母からほめられた。 あるとき夢の中で、主人公は月のウサギと話をする。月のウサギは毎晩オネショする候補の子どもを探すのが仕事であった。毎晩候補者を探すため目も赤くなった。オネショをしてお母さんに怒られる子どものことが心配で、つい聞き耳を立てるから耳も長くなった。 などデタラメな作り話を聞かせてから、さあ君たちも書いてごらんと課題を出す。 創作話ができてから 次々と発表していくうちに、子どもたちは創作話が上手になっていく。 そうして、文章にまとめるものだから、自然に考えをまとめる練習をすることで、考える習慣がつく(と玄侑宗久が自画自賛する)。
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