山村美紗最後の推理小説 彼女は1996年9月5日に亡くなった。 この小説は未完だった。 そこで残りを親しい友人の西村京太郎が書いた。
第1章〜9章 山村美紗 第10章〜12章 西村京太郎
殺人事件が次々に起こり、さあどうなるだろうというところで山村が亡くなり そのあとを西村が書いたので、10章から文体が変わっている。 しかし、話の流れは不自然ではなく、たぶん犯人はそうだったのだろうという人物が推理されている。 本来なら、山村美紗が全体をふりかえり、犯人のアリバイ工作とか、トリックのあかしがあったのだが、さすがにそれはなかった。 だから、犯人をあてるところまでで、これから狩矢警部のつめがはじまるのだろう。
から衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思う
ついに行く 道とは かねて聞きしかど 昨日 今日とは 思はざりしを
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