高橋喜平は雪の研究者である。 雪崩の専門家だった。
あるとき高橋喜平氏に講演を依頼したことがある。 講演をはじめたとき、聴衆の雪に関する知識が知りたいといって 春になったら雪は解けるが、いったいこの雪は、表面から解けるのか、それとも地面から解けるのかとという質問をみんなにした。 すなわち ・地面から解ける ・表面から解ける ・地面と表面から両方から解ける どれが正しいかと、みんな手を挙げさせた。 当時は芹洋子の「四季の歌」の影響なのか地面から解けるという答に手を挙げた人がほとんどでした。 でも、北海道育ちの私は、表面から解けるというのに手を挙げたのです。その答えに手を挙げた人は2〜3名でした、 そのときは正解は言わなかったのです。それではわかりましたと言ってから講演が始まりました。 この本を読むと答えが書いてありました。 雪国の雪は90%が積雪の表面から解けるのである。 もし実験したければ、根雪になったときワラなど目立つものを雪の上に置いておく。やがて雪解けがはじまり雪の高さが減ってくる。そのときワラが出てきたら、その上に積もっていた雪が表面から解けたということが確認できるだろう。
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