森繁久弥 平成21(2009)11月10日亡くなる。 享年96歳 平成2(1990)10月21日 妻杏子亡くなる。 享年76歳 平成11(1999)1月23日 長男泉亡くなる。 享年58歳
この本は、森繁久弥の長女と二男建の対談からなる本である。
しっかり者の妻がなくなって、わからない字を教えてくれる人もいなくなって、気落ちしたのだろう。 それでも、妻が亡くなってから20年生き続けたのだから立派なものである。
この本のタイトルは 父森繁久弥が 大学生の息子が友人と酒を飲んで帰宅したとき 安い酒を飲んできたと話したら 卓上にあった灘の酒を息子に飲ませて 言ったことが、 人生とはピンとキリだけ知っておけばいい。 真ん中というのは普通に生きていれば嫌というほど味わえる。 酒だけじゃない、仕事でも人間関係でも、あらゆる物事は ピンとキリをちゃんと知っていれば、自然と真ん中も知るようになってくる。 だということだった。 このことを本のタイトルにしたわけだ。
たしかに両極端を知っていれば、その間にあることはたいてい対応できる。 といって、両極端に積極的にとびこんでいいものだろうか。 よいほうの極端はともかく、悪いほうの極端にであったら、これも勉強と心得るのが人生ということだろうか。 自分の意志とは関係なく、両極端の体験をしたら、それは以後の人生にとってプラスになると考えてよいという一つの説明であろうと、この話を私は受け取りたい。
|