著者の松本孝芳は京都大学の森林科学教授
古事記の中に出てくる植物の話です。
景行紀 ヤマトタケルはイズモタケルを討ち取るのに、謀を持って、イチイで作った偽の刀にツヅラを沢山巻きつけ、立派な剣に見せかけ共に水浴びした後、お互いの刀を交換しだまし討ちにする。 即ち出雲国に入り坐して、其の出雲建を殺さんと欲(おも)いて到りまして、即ち友と結(な)りたまいき。故、ひそかに赤壽(いちい、壽はきへん)以ちて、詐刀(こだち)に作り、御凧(みかはし、凧はにんべん)と為りて、共に肥河(ひの)に沐(かはあみ)したまいき。 イチイは昔この木で笏(しゃく)を作ったことから、正一位等に位階に因んでつけられたという。アララギ、オンコともいう。
崇峻紀 蘇我馬子は皇子達及び群臣と共に、物部守屋大連を滅ぼそうと謀る。 大連、親(みづか)ら子弟(やから)と奴軍(やっこいくさ)とを率いて、稲城(いなき)を築(つ)きて、戦う。是(ここ)に大連、絹皆(きぬすり、皆はてへん)の朴(えのき)の枝間(また)に昇りて、臨み射ること雨の如し。 朴(えのき)と書いてあるけれど、現代なら榎でしょう。朴はホオノキですね。
もっと他にも紹介したかったのですが あまりにも漢字がJISになくて、探したり諦めたりで 疲れたから、とりあえずこのへんでアップしておきます。
|