刑務所(取材)歴20年の著者は女である。
栃木刑務所の1日 6:30 起床、洗面、点検 6:50 出寮 7:00 朝食・食堂 7:30 作業開始 ↓ 休憩10分 12:00 昼食・食堂 12:30 作業 ↓ 休憩10分 16:10 作業終了 16:20 夕食・食堂 16:50 点検 17:00 余暇、洗濯 18:30 仮就眠 ↓ 21:00 就眠・消灯
満期になってせっかく出所できても、約五割が一年以内に罪を犯して再入所するという。 よほど、刑務所がいいのだろうか。 それは前科者がなかなか世間では受けいれてもらえず、どうしても振り返って刑務所に目が向くらしい。 また、高齢者も出所しても働くところも住むところもなく、刑務所の中は食事も入浴もでき健康な生活がおくられるから 特に冬になると入所希望が増えるようだという。 (どうしても刑務所に戻りたい高齢者は、コンビニでたった一缶のビールを万引きするという。そして念願の一年半の刑期につく)
したがって、全国どこの刑務所も定員オーバー、それに対して職員の方は定員削減で勤務は厳しいという。
受刑者の半分以上は暴力団とその関係者であり、彼らと一般人とは施設を分けて収容すべきた。 なぜなら、彼らはこれと思う受刑者を「出所したら、うちの組へ入れ」とスカウトしている。また、悪い知恵をつけるから。刑務所に入ったため、悪い情報を得て、より悪くなるというケースもあるという。
新法になって私物が従来のよりもたくさん持ち込めるようになった。これは不正物品授受をもたらしている。 私物、外部連絡などの制限の緩和は職員の負担増につながり、警務作業や教育指導も義務づけられ、いっそう職員のストレスが増えているようである。警務職員は身も心も健全で強くないと勤まらない。 女子刑務所の女性刑務官は特殊な仕事なので、結婚退職すると補充がスムーズにはいかない。また刑務所は辺鄙なところにあるため、女性刑務官が結婚するチャンスも少ない。
私が網走刑務所に夏の間、(少年の家のように)1日体験・1日研修というアイデアを考えたら 北見の大学の先生から「とんでもない、刑務所は中に入る人を、人間として扱うところではないから、やめたほうがいい」と一蹴されてしまった。
明治村には当時の監獄の一部が残されていて 檻の中に入って食事体験ができるようになっているが 寒いときは大変だったであろう。 http://structure.cande.iwate-u.ac.jp/miyamoto/travel/japan/image5/P8100678.jpg 自由がないのはとても辛い。
バブルがはじけて不況になり、外国人の犯罪も増え 刑務所にも外国人が増えたという。 あんまり増えたから、日本の刑務所の代わりに母国の刑務所に入って 刑期をつとめることができるようになったというが(この協定をとりかわしたのは韓国だけで、他のアジアの国とはまだである) たとえば民主化の進んでいない設備も整わない中国の刑務所に、中国人犯罪者が入るかどうか。おそらく、このまま日本の刑務所に入れておいてほしいと言うのではないだろうか。
|