上野玲:うつは薬では治らない 文春新書753
うつ病の薬を飲み続けて12年の著者 著者は環境因のうつ病を主張する。
出張続きで疲れた著者 本も読めない、テレビもうるさい、新聞も開きたくない、誰にも会いたくない、話したくない、眠っていたい。 原稿は当然書けない。 でも、人恋しい。自分だけ阻害されているような寂しさに涙が出た。 三日寝ているうちになんとか元気が出て、原稿も書けるようになった。
不眠や憂鬱が二週間以上続いたら、うつの治療をしましょう。
正常とうつ病の違いはない、そういう医者もいる。
休めばなおるといっても 世間には休めない人がいる。 派遣社員やフリーターが休めば仕事を失う。貧しくなって死んでしまう....
この著者はうつ病になって、原稿は書けなかったが、本を書くようにした。 これはあたって二十冊の本を書くことができた。いろいろチャレンジして状況をよくする方法もある。
もう余命のないがん患者に看護師は何をするか。何もしない。ただ黙って寄り添うだけ。それで患者は安心する。 うつもまた同じ。寄り添ってくれるだけでいい。励ましたり、一緒に泣いてくれなくてもよい。 いつも見守っているよ、と寄り添う気持ちが、うつの心を癒すのである。
「頑張ったね、でも少し休みましょう」はよい言葉 家族のやさしい無視はありがたい。 >みんなが慰めればいい。中には一人ぐらい慰めないのがいると、本人も何をという気になる。そのことが大切なんだと永六輔はやり返す >「厚情必ずしも情ならず。薄情また情なり」(坂本龍馬)
医者から、うつだから何もしなくてよいとてわれて、社会人としてのつとめを全部放棄するのは、患者化と著者は呼ぶ。 40%でもいいから努力する。少しだけする。やれることから手をつける。
うつとの共存。 うつは個体因だけでなく、環境因とクロスしたとき発病する。
うつで稼ぐウソツキ文筆家の本?
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