これは、お元気な大正人がたったの二人という意味ではない。お元気な大正人は大勢居る。つまり、これはホンの一例。これを読んで、別のお元気大正人がどんどん出てくれば、それに越したことはない、と思ったわけ。
まずアイウエオの最初の方「オ」のところに丘灯至夫と云うひとがいる。丘さんは大正6年生まれの作詞家。あっしらが若い頃、夢中で愛唱した元気の出る歌を、沢山作ってくれた。「高校三年生」「高原列車は行く」「東京のバスガール」「山のロザリア」「襟裳岬」などなど。作った作品の総数はなんと2000近くになるという。
アイウエオのお終いの方には、やなせたかし(大正8年)がいる。アンパンマンの人気は絶大で、この名前を知らない子供など見たこともない。悪役のバイキンマンだって有名だ。アンパンマンの脇役が1600以上、などと聞くと心臓が止まりそうになるほどビックリするが、これは事実なのだそうだ。
また、大ヒット曲の詩「てのひらを太陽に」が、スランプで自殺しようとして、「懐中電灯」で自分の「てのひら」を照らした時、ふっと頭に浮かんだ詩だと云う。「懐中電灯」ではあまりにもネクラなので、これを「たいよう」に変えたなど裏話を聞くと、ついあの「しゃぼん玉」の歌などを思い出してしまう。
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