ときめき大正人のつづきです。NHK「うたのおばさん」というのがありました。松田敏江(大正4年生まれ)さんです。あっしは迂闊にもこの「うたのおばさん」の本家がアメリカとは最近まで知りませんでしたが、安西愛子さんも、うたのおばさんです。
ふたりで15年間この番組を続けたのもスゴイです。『めだかの学校』や『ぞうさん』『犬のおまわりさん』などが大ヒット。さらに驚くのはあの「ブンガワンソロ」が彼女の訳詩だと云うこと、また彼女の教えを受けた人の中に、新沼謙治や神野美伽まで入っていること。
もうひとり。この間亡くなった、高小卒の川内康範(大正9年生まれ)さん。最晩年、森進一とチョッともめたりしましたが、『月光仮面』の名声を知らない人はいません。月光はもともとゲッコウでなく、ガッコウだという。つまり、僧侶の家に生まれた川内さんは、みなが月光菩薩の慈悲心を持てばキッと世の中はよくなるという気持ちで、あれを書いたのだといいます。
福島県の文学賞受賞者であり、映画やテレビの脚本も沢山書いています。作詞では『誰よりも君を愛す』『君こそわが命』『おふくろさん』など数々の名作を残しました。あまり、云われないことですが、生き残りの務めとして、引揚者や外地に眠る遺骨の収集などに手弁当で立ち働いたことなどは、特筆すべき美挙だと思います。
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