もとは英語版だったらしいが、あっしの蔵書はたまたまスペイン語版だったので、こういうタイトルになった。べつに気取っているわけでも何でもない。
この本で面白いと思ったのは、『自分』の言い方で、英語やスペイン語ではふつうIやYoの一つだが、日本語ではこれが相撲の決まり手ではないが、93通りあると書き、その総てがローマ字で載っている。日本人のあっしらでも、ふ〜ん、そんなにあったかと思わずため息が出る。ちなみに一番はAで43番はYo-No-Monとなっていた。
また、日本人の名字の説明もあり、学習者も退屈しないように出来ている。たとえば、Ishibashiは Puente de Piedra(石でできた橋)、KinoshitaはDebajo del arbol、KojimaはIsla pequenaと云った具合だ。そのあと、女子の名ではMasako,Michie,Fumiyoといった具合に大抵うしろにo,e,yoなる接尾語がつく、などと説明しているが最近は女子の名も、様変わりしているので、これではまったく不完全だろう。
それからton-jiやGu-saiにも触れ、これらは字義通りにはブタのような息子、愚かな妻と云う意味だが、いまや一家の家長の権威は地に落ち、豚児や愚妻の方が却ってえばっている。したがってこんな名で呼ぶご主人様はいまでは何処を探したって見つからないと書いている。
こういう本の方が、文法にこだわった本よりホンとは面白いのではないか。同書はこのまま読めば、スペイン語の勉強にもなり、一石二鳥だ、とあっしなどは思うのだが、賢明なる諸兄姉や、如何?
☆ 英語のタイトルはInstant Japanese、出版社はYohan Publications,Inc.である。
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