佐貫亦男氏の「奇想からの発想」もお勧めである。この中に『相似発想の実際』と云う項があり、氏の別の著書「ゼロ戦と人力車」の紹介があった。
これは名機ゼロ戦と日本古来の道具とを結びつけると云う試みで、奇抜といえば奇抜だが、氏はたとえば、吸い物椀とアポロ宇宙船の推進剤タンクの相似点を発見している。
また順風満帆と思われる氏の人生について『私の過去はなん回となく職業を失い、不健康に悩まされた』と告白。
いわば、科学者子規というような病苦も体験されたらしい。
発想法は実用的で、便利な道具を作るだけが目的ではなく、日常の文章を書く場合にも、すこしは役立つのではないだろうか?
民族的な発想の相違については、同じ著者による「発想のモザイク」「続発想のモザイク」がある。
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