CNNによれば、アメリカではナッシュビルを含めテネシー州が3日、記録的な豪雨に見舞われた、と。死者数も、すくなくとも27人を越えている模様。
せんじつ書斎の片付けをしていたら、というより実際はあらたな散らかし方の研究と云ったほうが実情にあっていると思うが、こんなポケットブックを発見した。
たまたま開いた190ページにはNoah,Noeと云う項目があるが、例のノアの箱舟で有名なこの話、べつにクリスチャンでなくとも今では大抵の方がご存じと思う。ノアは旧約の『創世記』に出て来る人物である。アダムから数えて10代目、このノアに、40日40夜降り続いたあとの洪水は、もう二度と起こさないと神が虹をもって約束される。こうしたことが、この可愛らしい本に、簡潔な文章で分かりやすく記されている。
あっしが紋題にしたいのは、本扉にある発行所の所在地、Nashvilleである。このナッシュビルには虹は出なかったのだろうか。ちなみに2005年にも同地には、ハリケーン「カトリーヌ」が襲来し、大きな被害を与えている。
この洪水については、同書にニップール(現在のイラクのヌッファル)で発見された粘土板のイラストが入っているが、これはメソポタミア地方での洪水についての最古の資料の一つとされているものだ。当時の発掘ではこの洪水や天地創造にかかわる粘土板が、同時に数万点発見されたという。 (@_@;)
光文社文庫の「聖書の世界」(監修・月本昭男)によれば、この発掘によって旧約聖書創世記の記述は、メソポタニア起源であることが確定したという。キリスト教と兄弟関係にあるイスラムでも、偶像廃止を説いたノア(「コーラン」ではヌア)は厚遇され、箱舟の話もコーラン(岩波文庫「コーラン(中)」)の第11章にでてくる。また、アララット山はここでは、ジューディー山になっている。☆
☆ ちなみに、大英博物館のギルガメシュ叙事詩では、ノアは英雄ウトナピシュテムに、神イエホバはエア、豪雨は七日七晩に、偵察に使ったトリはハトとツバメになる由である。
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