画像サイズ: 520×208 (39kB) | これももう、かれこれ20年近くになる。月日のたつのは早いものだ。あっしらはオーストリアへ行った。ウイーンからザルツブルク、ザルツカンマーグート、そしてドナウを通って、デュルンシュタインへ、またドイツ国境の街にも立ち寄った。
そのときだ、ハルシュタットへいったのは。小さな無人駅を降りると、船のクルーが迎えに来た。駅の下方にはハルシュタット湖があり、きょうの宿りは対岸の村だ。
船を降りると、予約のないあっしらは、村一番のホテルに行ってみた。あっしらを迎えてくれたのは工事のため休業中と云う貼紙一枚だけだった。
たまたま山へ上がる坂道に山小屋スタイルの宿があり、屋根裏部屋へ通された。ここは清潔な感じの小部屋で、見晴らしが最高だった。あまりに幻想的な風景に魅せられ舞い上がったせいか、マーチャンの大事なカメラを忘れて来てしまった。気がついたのは、翌日湖を横切って駅へついたときだった。
帰国後、この宿へ手紙を書いた。ドイツ語はアカンのでいきおい下手な英語になった。カメラの所だけは大事なのでcameraでなくmeine Kameraとした。
普通は出て来ない。なにしろ宿の名前さえ覚えていなかったのである。いかに小さい村とはいえ、B&Bまで入れれば、かなりの数に上ることが後でわかった。超人気の観光地のせいであろう。
ある日一本の電話が紋爺の耳を驚かせた。東京江戸川の若い女性からであなたのカメラを預かっているので、〇〇駅まで取りに来てくれということだった。
あっしは一応菓子折りを持って、指定の駅に出頭した。聞けば彼女は毎年このプチホテルに泊まるのだそうである。日本人と知って、カメラを託したものらしい。しかしどうして、あっしの名前や電話番号が分かったのだろう。
これは「ひやっと」どころではない、「このアホンダラ」という臨時会議室があれば、いつでもレッカー車でそこへ移してもらいたい紋である。(-_-;)
お騒がせ人間こと、忘れ紋次郎
写真は、そのときのネガをいれた袋。一応念のためホテル側で現像して、彼女が来たときに見せたのだろうか。 |