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[No.7085] 〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜 投稿者:唐辛子紋次郎  投稿日:2015/06/24(Wed) 09:47
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〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜
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 私は若い頃から絵を観るのが好きで、今までにイタリアのウッフィツィ美術館、フランスのルーヴル、オルセー、オランジュリー、スペインのプラド、オーストリアの美術史美術館などを訪れたが、ここでは昨年の旅について記す。

 もともと、フランスの国境、ピレネーのあたりをぶらぶら歩くのが目的だったが、せっかくなので、途中で美術館をいくつか訪問したいと思った。フランスでは国鉄の大掛かりな鉄道ストに遭い、かなり難儀をしたものの、結局はハッピーな旅となった。

 まず、フランスのトゥールーズ近くのアルビにあるロートレック美術館を訪れた。入るなり、レセプションで、ロートレックの肖像画が遠来の客を迎えてくれ、(ああ、とうとうロートレックの生まれた町にやってきたのだな…)と感慨ひとしおであった。ここには若い頃から晩年にいたるまで、たくさんの作品が集められていた。わたしは20代のころから、フランス絵画が好きで、いろいろな作家の複製を買い求めては、書斎に飾っていた。

 知らない図柄のものもたくさんあった。しかし、何といっても、有名なポスターの数々には大感激して、食い入るように見入った。(つづく)

 写真は、ナビ派、エドゥアール・ヴュイヤールによるロートレックの肖像画。


[No.7088] Re: 〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜 投稿者:GRUE  投稿日:2015/06/24(Wed) 18:08
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紋次郎さん、こんにちは、

>  私は若い頃から絵を観るのが好きで、今までにイタリアのウッフィツィ美術館、フランスのルーヴル、オルセー、オランジュリー、スペインのプラド、オーストリアの美術史美術館などを訪れたが、ここでは昨年の旅について記す。

それは楽しみです。

それにしても、やはり、印象派がメインのようですね。私も印象派大好き。


[No.7090] Re: 〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜 投稿者:唐辛子紋次郎  投稿日:2015/06/25(Thu) 21:53
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Re: 〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜
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次に、正確に言えばこれは美術館ではないが、スペイン国境に近いフランスの町、コリウールにあるプチホテル「レ・タンプリエ」について。

 食堂から客室、廊下、天井、トイレまでがすべて、大小の油絵やタイルで埋め尽くされていて、ホテルが丸ごと美術館といっても過言ではない。この町は、フランスやスペインの画家たちに人気があり、そのほか、多くの画家マチス、ドラン、ピカソ、フジタなどが訪れている。

 この地をこよなく愛したマチスが、フォーブの旗挙げをした地としても知られているようだ。その証拠に、町の道路脇には、マチスやドランたちの複製画が人待ち顔に立っていたりする。山の手にはいくつもの工房が点在し、宿の前には紺碧の海が一面に広がっている…まさに風光明媚を絵に描いたような場所だった。(つづく)

 整理整頓が悪く、いい写真が見つからない。ホテル入口の写真で御勘弁願いたい。


[No.7091] Re: 〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜 投稿者:唐辛子紋次郎  投稿日:2015/06/26(Fri) 07:20
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Re: 〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜
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 さて、スペインのバルセロナでは、「ゼッタイ行きたい!」と思っていたのがピカソ美術館だ。下町のせせこましい場所にあるのだが、館内はまさに別世界だった。私がここを選んだのは、彼のキュビスム以前の世界、つまり立体派になる前のピカソがどうしても見たかったからだ。

 館内には当然、キュビスム以前はおろか、陶器までが並んでいたが、キュビスムでは≪ラス・メニーナス≫の模写がスゴイ!

 ピカソはベラスケスが好きで、その作品を何度も模写した。その数何と57点。ピカソという人はもともと、精力的な人とは知っていたが、模写の数に圧倒された。ここに並んでいるのは完成品なので、その下絵まで入れたら、膨大な量になるだろう。ここで、感じたのは、かれはよく言われる『天才』ではなく、むしろ努力の人だったということである。

 もっとも、そこに並んでいる絵は、ベラスケスの誠実な模写ではなく、すべて、ピカソ流にデフォルムされてはいるが…。

 ピカソだけでも収穫だったが、さいわい時間が取れたので、スペインのバスク自治州にあるビルバオ・グッゲンハイム美術館でちょうどやっていた「ブラック展」も観ることができた。展示数が非常に多くて、歩き疲れるほどだったが、見ごたえがあり、実に楽しかった。

 ピカソとブラックというキュビスムの2巨匠の絵を、期せずして観られたのだ。何という幸運だろう。グッゲンハイムでは、屋外展示も充実していて、クーンズの≪パピー≫、≪チューリップ≫、カプーアの≪大きな木と眼≫、ブルジョアの≪ママン≫など、これらは誰でも無料で観ることが出来る。

 この≪ママン≫は、東京、六本木ヒルズの大蜘蛛の兄弟分である。ここで≪ママン≫を観た人は、おそらくビルバオに来て、懐かしい思いをするのではなかろうか。(つづく)

 写真の絵は、模写の42番である。


[No.7092] Re: 〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜 投稿者:唐辛子紋次郎  投稿日:2015/06/26(Fri) 20:08
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Re: 〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜
画像サイズ: 480×355 (82kB)
ピカソは南部の人だが、この美術館はカタルーニャ州にあるので、この案内パンフレットは、スペイン語ではなく、カタルーニア語で書いてある。

 もちろん、スペイン語のもあるが…。


[No.7093] Re: 〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜 投稿者:唐辛子紋次郎  投稿日:2015/06/27(Sat) 09:25
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Re: 〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜
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 最後に訪れたのが、ヘルシンキのアテネウム美術館だ。ムーミンの生みの親、ヤンソンの生誕百年を記念して開催していた「トーベ・ヤンソン展」を観る。少女時代の絵から油彩画までを初めて観たが、テレビのあの「ムーミン」をイメージしたら大間違いだ。
彼女は第二次世界大戦中には、地元の風刺雑誌に、ヒトラーを批判するような絵を描いていた。そういった彼女の、知られざる一面をつぶさに観られたことは大きな収穫だった。

 トーベ・ヤンソンという人は、画家、イラストレーター、作家、舞台芸術家と、実に多方面で活躍した、驚くべき人物だったのだ。また、彼女がスウェーデン系のフィンランド人だったことも、ここで初めて知った。

 余談だが、ヘルシンキ空港内の、小さなムーミンショップは日本人で溢れかえり、目をつぶっていると、日本語ばかりが耳に入ってきて、まるで故国日本にいるような気さえした。また、ムーミンと云えば、絵葉書に貼る切手を買おうと立ち寄った中央郵便局でも、あのおなじみのムーミン人形と再会して懐かしい思いをした。

 いろいろな意味で、昨年のカイガイも、じつに実り多い、有意義な旅であったと思う。   (おわり)


[No.7094] Re: 〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜 投稿者:唐辛子紋次郎  投稿日:2015/06/27(Sat) 10:07
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Re: 〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜
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これはヤンソンの自画像である。画面いっぱいに彼女のひたむきな制作態度を窺うことが出来る。面白いのは、そのサインである。

 姓のヤンソンはなく、ただ名前のトーベだけを書く。そのあとは数字。これは、なにかのシリーズの番号なのだろうか。(Tove-42)

 ただ、ネットなどで見ると、フルネームのものもあるし、JanssonTというのもある。時代によっていろいろ変って行ったのかも知れない。


[No.7095] Re: 〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜 投稿者:唐辛子紋次郎  投稿日:2015/06/27(Sat) 23:29
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Re: 〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜
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最近、日本人の訪問者も増えたのか、日本語版の案内もちゃんと置いてあった。


[No.7100] Re: 〜ヨーロッパ各地の美術館巡り〜 投稿者:GRUE  投稿日:2015/07/02(Thu) 15:34
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紋次郎さん、こんにちは、

感想が遅くなりました。

好きな絵画三昧のいい旅をされましたね。はっきりした目的を持って訪問されて
いるので得るものさぞやと思います。

半分くらいは訪問してないところのようで、でも、紋次郎さんの注釈で、なんと
なくその様子が窺われ、聞かせていただくだけでも、豊かな気持ちになってき
ました。

ありがとうございました。