画像サイズ: 299×217 (36kB) | 海街Diary KANCHAN
是枝裕和監督が、綾瀬はるか以下4人の出演女優を引き連れて「海街Diary」宣伝のために、フランス、カンヌ国際映画祭に乗り込んだ。
私は、その意気やよし、とほほえましく感じ、映画が公開されたら見たいものだと思っていた。
海街は「うみまち」と読む。こういう言葉があるとは知らなかったが、映画の中では鎌倉のことである。海沿い、そして江ノ電沿いの、古い日本家屋に、4人の姉妹が住んでいる。一番若い娘だけ母親が違う。彼女たちの父親は、十数年前に離婚して家を出た。そして末娘が生まれたが、彼女の母親は早く世を去った。父親が山形の河鹿沢温泉で死んだ時、葬儀に行った3人は、末の義妹を鎌倉に連れてきて一緒に住み始める。
一番上の姉(綾瀬はるか)は妹たちの親代わりで、気儘な妹たちとは違った、抑えた生き方をせざるをえない。このへんがいかにも日本的なシチュエーションである。
私は、柏から二駅先の、流山おおたかの森のTOHO映画という今風の小劇場で、座り心地のいい椅子に身をうずめて、この映画の雰囲気・美女たちの演技を楽しんだ。私は昔の小津安二郎の映画を懐かしんだものだ。
この映画は、カンヌ映画祭では賞を得ることはできなかったが、上演が終わると会場の人々からスタンディング・オーベイションを受けたという。アメリカ議会の安倍首相の場面を思い出した。日本が外国で温かく迎えられた場面である。
さて、私は家に帰ってきてグーグルで検索して驚いた。なんとこの映画の原作は、吉田秋生という人のコミックなのであるという。第11回メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、2013年マンガ大賞の受賞作という。
私はそんな賞があることは知らなかったが、近頃コミックの物語が、テレビドラマや映画で取り上げられていることは気が付いていた。時代は変わったものである。
ところで、息子と小1男の孫が、「父の日おめでとう」といって、嫁の焼いたケーキを持ってやってきた。中1の女の子の孫は、アニメに読みふけって来なかった。息子が「まったくしょうがない」と嘆いていたが、私は「アニメだからと馬鹿にしてはいけないよ」と息子を諭した。何しろ日本のコミック・アニメは世界の中で日本の文化として高く評価されているのだから。宮崎駿の「風立ちぬ」は昨年大評判になったではないか。
ただ私は、例えば、三島由紀夫の絢爛たる文章や作品、「仮面の告白」や「金閣寺」等に郷愁を感じている。しかし、ああいう文学はもう出ないのであろう。
と思っていたところ、最近、韓国作家が三島の文章を盗作したことが発覚した。純粋日本文学はかの地で生きていたということか?
(2015.6.27)
注:KANCHANから送られたエッセイの掲載です(GRUE) |